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デジタル時代のアナログオーディオ入門 第1回

面倒な手順が楽しい‼ レコードプレーヤーの使い方をイチから解説!

2016年04月18日 10時00分更新

文● 鳥居一豊

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 ここ最近、アナログレコードプレーヤーの人気再燃が話題になることが増えている。これは日本国内だけでなくヨーロッパやアメリカなどでも同様で、さまざまなアーティストが新作をアナログレコードでも発売するというニュースは枚挙にいとまがない。

 国内でも、平井堅や宇多田ヒカルらをはじめ、きゃりーぱみゅぱみゅ、AKB48らもアナログ盤で発売される作品は数多い。

 というわけで、今回はレコードプレーヤーを大特集。レコードプレーヤーの基本から、最新鋭のモデルの紹介、そしてハイレゾでのデジタル化まで一通り網羅していく。

 第1回は基本のおさらい。これからレコードプレーヤーを手に入れてみようかな、という人でも大丈夫なように、組み立てから設置、接続、そして再生の方法まで一通りガイドしていく。

アナログレコードが注目を集めているのは
ハイレゾ普及のおかげ?

2008年に発売された「SL-1200 MK6」。これ以降、製品が登場してこなかったがついに2016年、新機種が登場

2008年に発売された「SL-1200 MK6」。これ以降、製品が登場してこなかったがついに2016年、新機種が登場

「SL-1200 MK5G」の分解展示。こだわりが詰まった製品だった

2002年に登場した「SL-1200 MK5G」の分解展示。こだわりが詰まった製品だった

 レコードプレーヤーは、1982年に登場したCDの急激な普及で一時は壊滅状態に陥ったが、ダンス・ミュージックのDJたちがレコードプレーヤーを使った独特なプレイで使ったことで若者にも愛用する人が増えていった。

「SL-1200GAE」

限定300台が30分でなくなった「SL-1200GAE」

 その定番的存在であるテクニクス(パナソニック)の「SL-1200」シリーズは、今もなお人気が高い。待望の新モデルである「SL-1200GAE」(定価33万円)も先日販売予約が開始され、30分で売り切れとなってしまった。

 また、熱心なオーディオマニアの間でも、CDが人間の可聴帯域である20Hz~20kHzに音域を制限していたことなどを理由に、原理的にはそれ以上の超高域の記録/再生が可能なアナログレコードの方が音質的に優れているという声も大きかった。

 そのため、CD以上の高音質を実現するSACDやDVDオーディオなども登場。これらが採用したDSD方式や、96kHz/24bit、192kHz/24bitといったPCM音源は、今ではハイレゾ音源と呼ばれて、主にインターネットの音楽配信で普及している。

 私見ではあるが、今になってレコードプレーヤーに再び注目が集まっているのは、ハイレゾの普及でデジタルとは感触の異なる音質の良さが見直されてきたことが大きい気がする。

 さらに「儀式」と揶揄されることもあるアナログレコード再生の手間が、逆に新鮮に感じるという人も少なくないだろう。

 このほか、昔買い集めたアナログレコードを捨てられずに持っていた人が、デジタル化のためにレコードプレーヤーを再び入手しようという動きもある。

 こうした動きを反映してか、レコードプレーヤーを再び発売するメーカーも増えてきている。デノンのようにレコードプレーヤーをずっとラインアップしてきたメーカーだけでなく、先述のテクニクスやソニー、ティアックなどが力の入ったモデルを投入してきており、大きな話題となってきている。

 一方で、アナログレコードの入手もしやすくなってきた。冒頭でも軽く触れたが、アナログレコードは今でも新録のアルバムが少ないながらも発売されており、新品を入手することができる。

「HMV record shop 渋谷」のイメージ

「HMV record shop 渋谷」のイメージ

ディスクユニオンは新宿にロック特化型レコードストアを展開している

ディスクユニオンは新宿にロック特化型レコードストアを展開している

 また、中古レコード店もまだまだ健在なので、中古盤を手に入れることも比較的容易。中古レコード店の有名どころでは、お茶の水や新宿などに展開する「ディスクユニオン」や、「HMV record shop 渋谷」などでアナログレコードを取り扱っている。

 現在の人気の高まりのおかげで流通量もそれなりに潤沢なので、いろいろと探してみるといいだろう。このように、自分でたくさんのレコードをコレクションしている人だけでなく、ゼロからアナログレコード再生をしてみようという人にとっても決してハードルは高くない。

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