2回にわたってテストしてきた小型&ロープロファイル型CPUクーラー。最後となる3回目は、エントリーした9製品+インテル製LGA 1151向けCPUクーラーのテスト結果をグラフにまとめて総比較。
コンパクトサイドフロー型3製品と、ロープロファイル型6製品のなかから、2015年版の王座にふさわしい空冷CPUクーラーを見極めよう。
CPU温度などの各グラフは数値の低い順(メモリーはDIMM1を基準)でまとめ、同じ数値の場合は安価なほうを上にしている。テスト環境や温度などの計測条件は以下の通りだ。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i7-6700K」 (4GHz/TB時4.2GHz、4コア/8スレッド) |
マザーボード | ASUS「Z170M-PLUS」(Intel Z170 Express) |
メモリー | G.Skill「F4-3000C15Q-32GRK」(PC4-24000) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 530(i7-67600K内蔵) |
SSD | Samsung「MZ-V5P512B」(950 PRO、512GB) |
電源ユニット | Seasonic「SS-750KM」(750W/80PLUS GOLD) |
OS | Windows 10 Pro(64ビット) |
計測箇所
- CPU温度(アイドル、平均、最高)
- VRM温度
- メモリー温度(DIMM1、DIMM3)
- M.2 SSD温度
- ファン回転数
- 騒音値
大型クーラー編の「CPUクーラー最強王座決定戦」では、オーバークロック状態のテストを行なっているが、小型&ロープロファイル型の一部製品はオーバークロックでの負荷テストが厳しいため、「Core i7-6700K」の定格動作のみで行なっている。
OS起動後5分経過した時点を「アイドル時」。CPUに負荷を掛ける「OCCT Perestroika 4.4.1」の「CPU:OCCT」テストを10分間(待機時間、開始時1分間、終了後4分間の計15分間)実行した際の最高温度や最大のファン回転数、騒音値を「高負荷時」としている。
CPUはテスト中の最高温度に加えて、「CPU:OCCT」実行中の7~9分間の平均温度をログから求めている。
計測条件
- すべてバラック組み、マザーは水平に設置
- 室温22度前後
- 暗騒音32~33dBA
- 騒音値はCPU位置からIOポート方向(マザーボードのPCケース取り付け時の排気ファン方向)へ30cmの位置で計測
- シリコングリスは熱伝導率8.5W/m・KのArctic Cooling「MX-4」に統一
- CPU、メモリー、M.2 SSDの温度、ファン回転数は「HWiNFO64」で計測
- VRMはヒートシンクにサーミスタ式温度計デジタル温度計を貼り付けて温度を計測
最も大事なCPU冷却性能をチェック
小型&ロープロファイル型CPUクーラーを選ぶ理由は、PCケースの対応が全高60mmまでになっているなど、さまざまだが、まずは、CPUクーラーの価値を決めるといっても過言ではない冷却性能をまとめていこう。
キモの高負荷時のCPU温度は、大型タイプのテストではパッとしなかったインテル純正LGA1151向けCPUクーラーの「TS15A」も健闘しているが、全高124.6mmでサイドフロー型となるCRYORIG「M9i」がアイドル時も含めて優秀と言える結果を示している。価格も4300円前後なのでコストパフォーマンスもグッドだ。
ロープロファイル型ではPCケースを選ばない全高74mmのbe quiet!「SHADOW ROCK LP」が高い冷却性能を出している。122(W)×134.21(D)という大型タイプ並みになっている横幅と奥行きをクリアーできるなら、十分ありだろう。
コンパクトながら優秀だったのは、サイズが95(W)×95(D)×65(H)mmのNoctua「NH-L9x65」。
高負荷時の平均温度が69.6度、最高が78度と突出した数値ではないものの、マザーボードやPCケースを選ばずに「Core i7-6700K」を運用できるのは、ハイエンド小型PC自作では大きなポイントになるだ。エアフロー次第では、TDPが95WのAMD APUもオッケーだろう。
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