米国では3月13日の午前1時が2時となり、夏時間になりました。ちょうど1年前の記事では「Spring Forward」というタイトルのAppleのプレスイベント(Apple Watchが発表されました)が開催されたことを紹介しています。
毎年思うのですが、たった1時間の時差でこれだけ悩まされるのは、意外なことでした。今回で4回目の夏時間への移行になりますが、結局まだあまり対策ができていないのです。割と早く寝たんですがね、移行する晩は……。
さて、3月14日の月曜日は、ここ1週間ほど続いていた大雨と暴風が止み、空気は冷たくはあるものの、さわやかな昼下がりとなっています。夏、というよりは春の方が似合う気候ですが、嵐の直前まで酷かった花粉もどうやら収まっていて、快適な月曜日となりました。
結局調整が必要なのは
クルマの時計とデジカメだけだった
夏時間への移行で面倒なのは、時計の再調整です。つい忘れてそのままにしてしまい、何気なく時計を見て、「まだ余裕があるな」なんて思っていると、実は1時間足りなかった、なんてことも起きうるので、きちんと時計を合わせておかなければなりません。
ところが最近、時計の調整はほぼ、しなくなりました。
というのもスマートフォンやタブレット、パソコンは、あらかじめ夏時間への移行がプログラムされているため、自動的に時計が変わります。今年は寝ていたのですが、もし起きていて、時計をじっと見ていると、午前2時が3時に変わるときのショックたるや……。寝る時間が1時間減るわけですからね。
腕時計も電波式であれば、スマートウォッチでなくても自動調整できます。壁掛けの時計も同様。ということで、基本的には時かんんの調整が必要な時計は身近にはありませんでした。
クルマの時計は暦を設定する機能がないため、自動的には調整してくれません。米国での移動手段として重要なクルマの時計がずれているのは問題ですよね。
書いていて思い出しましたが、もう1つ調整しなければならないデバイスがありました。デジタルカメラです。こちらも自動調整をしてくれない上、最近の写真アプリは撮影時間で写真を束ねる機能もあることから、時差調整をしっかりしておかないといけません。
同じ時間が複数ある問題
春先の夏時間への移行時は、日曜日の午前2時台がまるまるすっぽり無くなってしまいます。そのかわり、晩秋の冬時間へ戻る際は、日曜日の午前2時が2回あることになります。この不具合については、スポーツトラッキングアプリを使っていると感じる点があります。
さすがに午前2時にエクササイズをしている人は少ないと思うので、たとえばこの時間に歩いていた記録がなくなってしまうとか、日曜日は1時間少ない23時間しか記録に使えない、という不都合を感じることはほぼないはずです。
睡眠記録の場合、明らかに1時間短縮した記録が出てきてしまいます。筆者の場合、今年は体内時計の方が優秀で、日曜日の朝7時に起きるつもりでしたが、きっちり1時間遅い8時に目が覚めました。これが、1時間の時差の調整に悩む(というか眠い)理由でもあると思うのですが。
一方、午前2時が2回ある冬時間への移行の場合、どちらを「午前2時の記録」とすべきか悩むところです。古い2時なのか、新しい2時なのか。そのままやってしまうと上書きされそうですね。
絶対時間と相対時間の違い
コンピューターの世界では回避策が用意されています。たとえばWindowsのファイルシステムであるNTFSの場合は、世界標準時(UTC)を用いるため、標準時は変わらず時を刻み続けており、ファイルの時刻は正確に記録されます。コンピューターのそのときの環境に依存しません。絶対的な時間として記録されている形になります。
前述のスポーツトラッカーなどについても午前2時がすっぽり抜けている、あるいは午前2時の活動を上書きされないようにする工夫として、絶対時間であるUTCを採用していくべきだと考えられます。これは家中に散らばるIoT系のデバイス全般にも当てはまるのではないでしょうか。
我々は普段UTCでは生活しておらず、自分がいる場所のタイムゾーンが基本です。加えて、比較的相対的な時間を扱うことも多いです。
例えば料理をするとき。15分間オーブンに入れるときは、15分のタイマーをセットします。17:53にセットしたから、18:08にアラームをセットするのは不自然に感じます。
おそらく想定する必要もないほど希すぎる例ですが、もしちょうど夏時間になる夜中に、思い立ってシフォンケーキを焼いていて、ケーキを35分焼こうというとき、1:45から35分ということで2:20にアラームをセットすると、その時刻は次の日まで訪れないわけで……。
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