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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第66回

クセはあるけど撮影が楽しい光学3倍ズームスマホ「ZenFone Zoom」

2016年03月05日 12時00分更新

文● 林 佑樹

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カメラはまだ進化中だが現時点でも楽しい

 アウトカメラは1300万画素で、パナソニック製CMOSを採用している。レンズはHOYA製で非球面レンズ×4、ガラス×4、プリズム×2の構成。プリズム×2なのは、横スライドでズーム構造を構成しているため。35mm換算で28~84mm相当で、接写性能はワイド端約4cm、テレ端約30cmと使い勝手のいいものとなっている。ワイド端・テレ端での描写はやや甘めだが、40~50mm付近は解像感もよく、スマホのカメラっぽくない。

 光学手ぶれ補正も搭載しており、これはテレ端の状態して端末を軽く動かしてみると、効きがよくわかるだろう。またオートフォーカスは、50cm以内のレンジではレーザーでの測距を行なうため、フォーカス速度は極めて速い。逆に51cm以上ではコントラストAFのみになるため、シーンによってはフォーカスに手間取る。

背面にはグリップ用の出っ張りもある

 ISOは50~3200までに対応する。実用ISOは800~1200で、それ以上になるとかなり緑が暴れる(という部分を活かすと、夜間撮影や蛍光灯下での撮影で遊べる要素ではある)。

 マニュアルモード時は、最近のハイスペックコンパクトデジタルカメラの勢いで設定が可能になっており、ホワイトバランスは2500K~6500K(50K刻み)、EVは±2(0.3刻み)、シャッター速度は32sec~1/16000と遊べるほか、コントラストや彩度、明瞭度、細部強調(挙動としてはアンシャープマスク的)などもあり、自分の好きな写りにカスタムできる。

 個人的には、設定のプリセットを保存可能にしてほしいところ。3パターンほどプリセットを自作できると、なにかと楽しくなりそうだ。

オートモードでは細かい設定項目はないが、マニュアルモードに切り替えると設定が増える

WBの設定は50K刻みとなかなか楽しめる

カメラの設定には、彩度やコントラストのほか、鮮明度、細部強調といった項目がある

 このようにいじりがいのある部分が魅力的だが、すべてカメラ任せで撮影する場合は、かなりクセがあり、色もにごりがちになる。フォーカスについても、電子水準器のレスポンスは良いのだが、たとえばタップして画面のどこかでフォーカスを決めたあと、少し端末を動かすとセンターにフォーカスが戻ってしまうなど、細かな部分で気になる部分がある。不満点ではあるが、そのあたり許せるのは上記の設定項目の豊富さだ。

 手放しでキレイに撮れることもあるが、自分なりに工夫することも必要になる。その部分を楽しめるのであれば、ZenFone Zoomはちょうどいいし、サブカメラとしても活躍してくれるだろう。

※以下の写真はすべてフルサイズ(4160×3120ドットなど)となっていますのでご注意ください。

室内でのテスト。左はワイド端、右はテレ端

接写しやすいため、小物撮影にも向く

手ぶれ補正があるので夜間はそれなりに強いが、絵はやはり荒くなりがち

2倍あたりの状態は描写がいいので、少し大きな小物撮影や人物撮影に活用するといいかも

逆光時もかなり安定しているが、たまにホワイトバランスがずっこける

日中の描写性能は心配不要レベル。やや濁った感じがあるのだが、晴天時の撮影データを見ると、これはこれでアリ

コントラスト高めにくることが多いので、逆にピーキーな雰囲気に向く

35~50mmくらいだとかりっと解像することもあり、けっこうステキ

屋外でのワイド端、テレ端のテスト

マニュアルモードに変更し、カメラ設定で明瞭度+1、彩度-1、コントラスト+1、細部強調+1で撮影したもの筆者的にはこれくらいが好み

ホワイトバランスなどは変更しているが、カメラ設定は先と同じ

夕方あたりでもカメラ設定を変更しておけば、解像感はいい感じになる

ご飯写真についても、接写しやすいため自由度は高い

マニュアルモードでの長時間露光テスト。解像感だけは十分だが、それ以外は加工でフォローしたほうがいい印象もある。シャッター速度は16秒

【まとめ】ZenFone Zoomはカメラのクセを楽しめるかどうか

 スペックは十分に高く、実用面で困ることは少ない。レスポンスもよく、キーボードでの入力も快適である。そこに光学3倍ズームのカメラが追加されている形だ。レビューしてきたように、そのまま撮影してもいいが、やや濁った絵になりがちなので、その部分はマニュアルモードに慣れていくほかなく、そういった部分を楽しめのかが大きな分かれ目になるだろう。


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