カメラはまだ進化中だが現時点でも楽しい
アウトカメラは1300万画素で、パナソニック製CMOSを採用している。レンズはHOYA製で非球面レンズ×4、ガラス×4、プリズム×2の構成。プリズム×2なのは、横スライドでズーム構造を構成しているため。35mm換算で28~84mm相当で、接写性能はワイド端約4cm、テレ端約30cmと使い勝手のいいものとなっている。ワイド端・テレ端での描写はやや甘めだが、40~50mm付近は解像感もよく、スマホのカメラっぽくない。
光学手ぶれ補正も搭載しており、これはテレ端の状態して端末を軽く動かしてみると、効きがよくわかるだろう。またオートフォーカスは、50cm以内のレンジではレーザーでの測距を行なうため、フォーカス速度は極めて速い。逆に51cm以上ではコントラストAFのみになるため、シーンによってはフォーカスに手間取る。
ISOは50~3200までに対応する。実用ISOは800~1200で、それ以上になるとかなり緑が暴れる(という部分を活かすと、夜間撮影や蛍光灯下での撮影で遊べる要素ではある)。
マニュアルモード時は、最近のハイスペックコンパクトデジタルカメラの勢いで設定が可能になっており、ホワイトバランスは2500K~6500K(50K刻み)、EVは±2(0.3刻み)、シャッター速度は32sec~1/16000と遊べるほか、コントラストや彩度、明瞭度、細部強調(挙動としてはアンシャープマスク的)などもあり、自分の好きな写りにカスタムできる。
個人的には、設定のプリセットを保存可能にしてほしいところ。3パターンほどプリセットを自作できると、なにかと楽しくなりそうだ。
このようにいじりがいのある部分が魅力的だが、すべてカメラ任せで撮影する場合は、かなりクセがあり、色もにごりがちになる。フォーカスについても、電子水準器のレスポンスは良いのだが、たとえばタップして画面のどこかでフォーカスを決めたあと、少し端末を動かすとセンターにフォーカスが戻ってしまうなど、細かな部分で気になる部分がある。不満点ではあるが、そのあたり許せるのは上記の設定項目の豊富さだ。
手放しでキレイに撮れることもあるが、自分なりに工夫することも必要になる。その部分を楽しめるのであれば、ZenFone Zoomはちょうどいいし、サブカメラとしても活躍してくれるだろう。
※以下の写真はすべてフルサイズ(4160×3120ドットなど)となっていますのでご注意ください。
【まとめ】ZenFone Zoomはカメラのクセを楽しめるかどうか
スペックは十分に高く、実用面で困ることは少ない。レスポンスもよく、キーボードでの入力も快適である。そこに光学3倍ズームのカメラが追加されている形だ。レビューしてきたように、そのまま撮影してもいいが、やや濁った絵になりがちなので、その部分はマニュアルモードに慣れていくほかなく、そういった部分を楽しめのかが大きな分かれ目になるだろう。

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