定格時とOC時の各部温度や騒音値を計測
CPUクーラー選びで最も気になる冷却性能の見極めには、「Core i7-6700K」の定格運用時に加えて、オールコア常時4.2GHz動作(倍率42倍固定)、コア電圧1.35Vのオーバークロック運用時。
さらにテスト中にCPU温度が瞬間的にアップし、ファン回転数も一瞬だが上昇する傾向にあるため、ファンコントローラーを使ってファン回転数をオーバークロック時の平均回転数に調節した状態の計測も行なっている。
温度などを計測した箇所と条件は以下の通り。CPU温度に加えて、メモリー(メモリー搭載サーマルセンサー)、M.2 SSDの温度、ファン回転数などを見ている。
- CPU温度(アイドル、平均、最高)
- VRM温度
- メモリー温度(DIMM1、DIMM3)
- M.2 SSD温度
- ファン回転数
- 騒音値
計測条件は、OS起動後5分経過した時点を「アイドル時」。CPUに負荷を掛ける「OCCT Perestroika 4.4.1」の「CPU:OCCT」テストを10分間(待機時間、開始時1分間、終了後4分間の計15分間)実行した際の最高温度やファン回転数、騒音値を「高負荷時」としている。
なお、CPU温度は最高だけでなく、テスト中2分間(テスト7分~9分の間)の平均値もログから求めている。その他の計測条件は以下の通りだ。
- すべてバラック組み、マザーは水平に設置
- 室温22度前後
- 暗騒音32~33dBA
- 騒音値はCPU位置からIOポート方向(マザーボードのPCケース取り付け時の排気ファン方向)へ30cmの位置で計測
- シリコングリスは熱伝導率8.5W/m・KのArctic Cooling「MX-4」に統一
- CPU、メモリー、M.2 SSDの温度、ファン回転数は「HWiNFO64」で計測
- VRMはヒートシンクにサーミスタ式温度計デジタル温度計を貼り付けて温度を計測
エントリーした各製品の紹介、テストを行なっていくわけだが、そのまえにLGA 1150対応CPU最上位の「Core i7-4790K」に付属していたインテル純正クーラーも試している。
TDP 95WのLGA 1151対応CPUには非対応になるが、秋葉原のPCパーツショップで500円程度で売られていることがあるだけに、気になる人も多いことだろう。
計測は定格動作のCPU温度のみだが、インテル純正CPUクーラーでは、最高温度が95度に達し、平均も79.5度になった。
Core i7-6700K 定格クロック(LGA 1150用リテールクーラー) | ||||
---|---|---|---|---|
CPU温度 (平均) |
メモリー温度 (DIMM1/DIMM3) |
VRM 温度 |
M.2 SSD 温度 |
|
アイドル時 | 29 ℃ | 29.5 ℃/28 ℃ | 28 ℃ | 33 ℃ |
高負荷時 | 79.0 ℃/92 ℃ | 41.3 ℃/36.5 ℃ | 53 ℃ | 42 ℃ |
テスト中にCPU温度による動作クロックのダウンは発生しないものの、バラック、室温22度前後の状態で最高95度なのは、高負荷状態の長時間運用には不安が残る。
「Core i7-6700K」で、LGA 1150やLGA 1151のCPUに付属しているインテル純正CPUクーラーを使うのはオススメできない。
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