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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第339回

RADEON R9 400シリーズを6月に投入? AMD GPUロードマップ

2016年01月18日 11時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

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2015年~2017年のAMD GPUのロードマップ

Radeon R9 400シリーズを
6月に投入?

 Polarisアーキテクチャーの説明が終わったところで、ロードマップに戻ろう。もともとGlobalfoundriesは2015年11月、AMDの複数の製品について、14LPPを利用した最初のシリコンを製造したことを発表しており、今年のCESでデモされたのもこれの可能性が高い。

 これはまだ評価用のシリコンなので、ただちに量産というわけにはいかないが、ここで不具合の回収などで1~2回のRe-spin(マスクの作り直し)をかけても6月には本格量産に入るのは難しくないだろう。

 Summit Ridgeとは話が違っており、こちらは動作周波数を引き上げるチューニングはほとんど必要ないからだ。

 したがって、Re-spinがあったとしても、それはそう難しい話ではないだろう。AMDは2016年中旬に最初の製品を投入するとしており、おそらくCOMPUTEXあたりがお披露目になるだろう。

 ただし、こちらは1つ制約があり、ダイサイズは100~200mm2台、多くても300mm2を超えることはないだろう。つまり相対的に小さなGPUしか当初は製造できないだろう。

 理由は簡単で、GlobalFoundriesにしてもSamsungにしても、FinFETに関してはまだモバイルのSoC向けの小さな(100mm2前後)のダイしか量産していないためで、Fijiのような巨大なダイをいきなり量産したら、おそらく歩留まりの観点で死ぬだろう。

 そう考えると、わりと計算は簡単である。28nmプロセスをFinFETプロセス(TSMCの16FF+やGF/Samsungの14LPP)に移行した場合、密度はラフに言って2倍ほどになる。

 これは16FF+/14LPPがどちらも配線層は20nmのものをそのまま使っているからで、同じ回路規模ならば面積が半分に減る。現在の世代で言うならば以下のようになる。

ダイサイズ
Fiji 596mm2
Grenada 438mm2
Antigua 359mm2
Trinidad 212mm2
Tobago 160mm2

 これを半分にするとFijiやGrenadaはややオーバーな感じだ。加えて言えば、性能が同じで消費電力のみを下げるのならこれでもいいが、実際には性能アップも当然目論んでいると思われる。シェーダーの数を1.5倍にしたと考えると、以下の計算が成立する。

ダイサイズ
Fiji後継 447mm2
Grenada後継 329mm2
Antigua後継 269mm2
Trinidad後継 159mm2
Tobago後継 120mm2

 比較的生産がスムーズと思われるのは、Trinidad(つまりRadeon R7 370)の後継製品以下で、Antigua(Radeon R9 380)後継は歩留まりがある程度上がるまで量産は難しいように思える。Grenada/Fijiはもう別の話になるだろう。

 ロードマップは、今のところ2016年中にGreenland/Ellesmere/Baffinの3種類の製品が投入されるという話は伝わってきている。

 ただこのうちハイエンドのGreenlandは、Fijiコアの後継ではなくGrenadaコアの後継と筆者は予想する。ダイサイズも300mm2を超えるとなると、おそらく製造はTSMCであり、リリース時期も今年後半(10月頃?)ではないかと予想される。

 最初に投入されるのはAntigua後継のEllesmereと、Trinidad後継のBaffinであろう。このBaffinベースのプロトタイプがCESで公開されたものと思われる。GeForce GTX 950が競合ということはRadeon R7 370の後継と考えられることもこの傍証となる。

 ちなみに細かい数字は、基本的に前世代を1.5倍しただけなので、あまり意味はないと考えてほしい。Baffinのさらに下、つまりTobagoの後継製品もおそらく開発はしているだろうが、もともと単価が安いところだけでに、そうゆとりがあるとも思えない14LPPプロセスの状況を考えると2017年まで先送りであろう。

 同様にFijiの後継も、こちらは400mm2を超えると思われるダイだけに、ある程度の歩留まりで量産できるようになるのは2017年に入ってからになるのではないかと考えられる。

 もっともGreenlandベースのR9 490X(仮称)ですらFijiのコアのスペックを超えている可能性が高いので、急いで新しい製品を投入しなくても良いと思われる。

 ちなみにAMDの製品については基本HBM2とGDDR5のみがサポートされ、GDDR5Xについては対応しないと今は聞いているのでラインナップには含んでいない。このGDDR5Xに関してはNVIDIA GPUのアップデートの時に説明したい。

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