今年はパソコンの当たり年になるか
2016年は、1kg以下のノートPCが当たり前になる
2016年01月18日 09時00分更新
魅力的なノートPCが出揃った2016年
2016年のデジタル業界を占うイベント、「CES 2016」が1月6日から米ラスベガスで開催された。各メーカーは、その年に発売する新製品やテクノロジーを、CESで発表することが通例になっている。
今年のCESで注目を集めたのは、薄型・軽量のノートパソコンだ。薄さ12.8mmの360度回転2 in 1ノート「YOGA 900S」(レノボ)。12.5型の4Kノート「Latitude 12 7000」(デル)。同じく4Kで1kgを切る「HP Elite Book Folio G1」(HP)。約798gという軽量11.6型ノート「LAVIE Hybrid ZERO」(NEC)など……。
国内メーカーだけでなく、グローバルベンダーが全世界に向けてこれらのマシンを発表しているのだ。
PCの当たり年と予感させるような充実した顔ぶれが並ぶが、昨年から勢いを増している、パソコンとしてもタブレットとしても使用できる2 in 1ノートばかりなのも目を引くところ。
では、薄型・軽量化に拍車をかけた要因は何か。
ハードウェア面でいえば、インテルの第6世代Coreプロセッサー(コードネームSkylake)がポイントだ。14nmのプロセスルールによる省電力と低発熱、高速なDDR4メモリーへの対応、DirectX12に対応した最新のCPU内蔵GPUなど、従来製品から進化した点は多い。特にモバイルノートパソコンにおいては、性能面の向上や、バッテリー駆動時間が飛躍的に伸びるなど、その恩恵は大きい。
ノートPCとしてもタブレットとしても利用でき、画面タッチ操作が可能な2 in 1はWindows 8時代からジャンルを拡げてきたものだ。
しかし、CESで発表された2 in 1機の傾向を見ると、従来のクラムシェル型を志向したような、まさしくノートPCとしての使い心地を重視しつつ、タブレットの付加価値をうまくとりこんだマシンが増えてきているように思われる。
つまり、SkylakeとWindows 10を活かした薄型・軽量化を志向した各メーカーの技術が成熟し、魅力的なノートパソコンがようやく出揃ったタイミングが、まさにCESだった……というわけだ。
関連して、インターフェースの変化についても触れておこう。最近搭載されることの多いUSB Type-C/Thunderbolt 3共用ポートは、データ転送、給電に加えて、Thunderbolt 3映像の伝送も可能になっている。大型のポートをわざわざ付ける必要はなくなり、これまた薄型化に貢献する。
HP Elite Book Folio G1や、デルの2 in 1「New XPS 12」のように、USB Type-Cポートを2つそなえるマシンも出てきた。充電にもUSB Type-Cを利用するモデルでは、「2基搭載」が基本になりそうだ。
また、Windows 10でのモバイルという点では、2 in 1だけではなく、クラムシェル型でも魅力的な製品が出てくるかもしれない。「VAIO S11」のような、Skylakeならではの高性能とバッテリー駆動時間を活かした、モバイル向きのノートパソコンが発表されることも考えられる。
いずれにせよ、2016年は薄型・軽量のノートが盛り上がるとみて間違いない。重量1kg以下、厚さ13mm以下がトレンドになる……という状況も、じゅうぶんにありえる話だろう。
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