住友林業が、データ分析プラットフォームに「QlikView」を採用した。ユーザー部門の望む分析を実現する。クリックテック(開発元)およびアシスト(販売元)が1月7日、発表した。
住友林業は、再生可能で人と地球にやさしい自然素材である「木」を育て、流通させ、家を作り、また育てる事業に取り組んでいる。年間約1万棟の木造注文住宅を販売する住宅事業、創業のルーツである山林事業も強み。
注文住宅の提供にあたっては、住宅仕様データとして柱や梁などの建材からキッチンやバスのような設備、デザインや施工法などのデータが発生する。さらに住宅引き渡し後のメンテナンス履歴データなどを加えると、明細データは1棟につき数千件にものぼり、年間約1万棟の新規住宅を供給するデータベースには、数億件レベルのデータが蓄積されている。
一部のデータについては参照用データベースを構築し、ユーザー部門に公開していたが、膨大なデータ量となる仕様に関する部分については公開できておらず。そのため、資材部門が建材の納品状況を把握したり、品質保証部門がアフターメンテナンスサービスの状況を把握するためには、その都度、グループ内の情報システム会社にデータの検索・加工を依頼する必要があったという。
その結果、データ抽出・加工にかかる費用は膨らみ、情報提供までの時間は長く、さらに使用していたデータ検索ツールで扱えるデータ件数には制限があるなど、ユーザー部門が必要とするデータを有効活用できているとはいえない状況だった。
これらを解決するため、2014年12月にQlikViewを導入。入手までに数日間を要していた住宅仕様データを、必要なタイミングで、ユーザ自身の操作で即座に入手できるようになったため、業務効率が格段に向上した。
また、取り扱えるデータ件数の上限がなくなり、大量の住宅仕様データを扱えるようになり、複数のツールやウィンドウを駆使して行っていた作業(例:Accessの検索結果をExcelで加工する等)が、QlikViewの1つのウィンドウだけで完結するなど、生産性の飛躍的な向上を実現した。
現在、資材部門や物流部門、品質保証部門など7部門で活用され、建材やCADデータから、受発注履歴や補修などのアフターメンテナンスに至るまで、幅広い業務の文責に役立っている。データ量の増加とともに将来発生すると予想される懸念事項も先行して解消することができたとしている。