前回に引き続き、「Xperia Z Ultra」について語っていきましょう。国内キャリアとしてはauから唯一発売された「Xperia Z Ultra」ですが、フツーにスマホ扱いで販売されてしまったため、世間では「ただただデカイ」と言われつづけた不遇な時期もありました。
そして、筆者はこう思ったものです。「この(逆)風、この肌触りこそ(スマホの)戦争よ!」と。
「Xperia Z Ultra」は、当時メイン機種だった「Xperia Z」や「Xperia Z1」と同じ解像度(1920×1080ドット)でありながら、画面サイズが大きくなったことでアイコンやテキストサイズをより精細に表示、ディスプレーをゆったり使えるというのが最大の武器でした。
ちなみに画像の端末は「Xperia Z Ultra」(左)と「Xperia Z」(右)で、そのままの解像度でブラウザーをPC表示(ここではYahoo!のトップページ)した場合ですが、見える領域は同じでも、細かい文字がピンチインして拡大しなくてもそこそこ見える、というメリットがあります。
それならもっとデカイ10.1型の「Xperia Tablet Z」だろ! と言われそうですが、タブレットはそうそう持ち運びできないんですよ! 機動性と大きさのバランスも大切なんです。
文字入力もさぞ大変だろうと思われがちですが、純正の日本語入力「POBox Touch」が入っているので、キーボードサイズをタテヨコ自由に変更できたり、小さくしたキーを好みの場所に配置することもできます。
片手で支えながら、もう一方の手でタップして使うスタイルはもちろん、片手で持ったまま親指でそのままフリックせざるを得ないという場合も、キーボードサイズを小さくして手前に寄せてしまえば、それもできちゃうのです。
どういったときにツボにハマるかというと、まずは何と言っても電子書籍を読む際です。これはなんともちょうどイイサイズで、6.4型ぐらいになると、漫画にすると1ページがある程度ゆったり見えるようになるので、拡大しないままペラペラとめくって読めます。
以前、ソファに寝っ転がりながらタブレットで漫画を読んでいたら寝落ちして、タブレットを顔面に落としたことがトラウマになっていましたが、「Xperia Z Ultra」くらいのサイズならずいぶんショックが軽減されるのではないかと(寝落ちしたら同じという話もありますが)。
静止画も、ちょうどL判サイズの写真を実際に手にしてるようです。精細感もあって色味も良く、アルバムでサムネイルからチェックして1枚をじっくりみる、たまにピンチインして拡大して見たり、といった操作が快適です。出先でソニーのカメラから画像を転送し、細かいところをチェックする際にもものすごく便利です。
それから、動画が楽しいのです! 「nasne」やBDレコーダーに録画済みの動画を転送しておき、電波環境に左右されずに電車や飛行機の中で消化していくというスタイルが超ツボにハマります。ただし、さすがにこの大きさで外で動画を視聴していると、周囲からも見えやすいので、覗かれそうなシチュエーションでは視聴する動画の種類に注意が必要ですね。
画面が大きくなるとペン書きもしたくなります。「Xperia Z Ultra」も発売プロモーションでは手書き入力をうたっていましたが、若干書くツール(ペン)によって反応が違うみたいで、基本的に導電性のあるモノであればオーケーですが、細すぎるモノやプラスチック製はNGでした。
「Xperia Z Ultra」には「スケッチ」というアプリが入っていますが、設定項目はかなりシンプルでペン先を選ぶ、太さを変えるといった以外には、カラーを16色から選ぶ程度なので、本格的に描くというわけにはいきません。
ですが、ちょっとしたお絵かきくらいなら充分楽しめるし、ゆるキャラくらいならサクサク描けちゃいます。全然関係ありませんが、画像の絵は、筆者の地元(山口県柳井市)のゆるキャラ「ハレマル」くんです。
そんなこんながありつつも、当時全力で活用していた用途はブラウザーゲーム「鑑これ」のリモートプレイでした。さすがにPCでダイレクトにプレイするようにはいきませんが、このくらいの画面サイズになるとアイコンもタップしやすく、遠征や演習といった日々こなしたい任務を外出先からできてこれまた最高です。
アプリを複数起動できる「スモールアプリ」を使っても、画面が大きいのでひとつひとつが見えやすく、まさにマルチタスクで使えるのが便利。ツイッターにウェブブラウズにと、相当過酷に使っていたことを思い出します。
この「Xperia Z Ultra」のサイズ感は、ちょっと持ちだして使うとか、立ちっぱなしの電車とか、フトンにもぞもぞ潜ってとか、大きいタブレットはムリだけどスマホサイズでは少し物足りない、という気持ちを見透かしたような絶妙なサイズで、まさに素敵ガジェットだったのです。
「Sony Tablet Pシリーズ」がなくなって以降、ポッカリあいた心のスキマをドーンと埋めてくれたのが、この「Xperia Z Ultra」。もう本気で2枚くっつけて、折りたたみできるクラムシェルな「Xperia ZZ(ダブルゼータと読みます) Ultra」を自力で作ってやろうかと思っていたほどでした。……まあ、作ってはいませんが。
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