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カシオ腕時計工場のこだわりは異常

2015年12月16日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 時刻は1秒ごとの足し算からできている。なら計算機屋が腕時計を作ったっていいじゃないか。

 カシオ計算機が初めて腕時計を開発したのは1974年だ。第一弾商品「カシオトロン」はCMOS-LSIを採用し、3Vという低電圧でも駆動するデジタルウォッチ。1983年には耐衝撃腕時計「G-SHOCK」を発売し、大ヒットした。

 いまやカシオの腕時計は普及帯からプレミアム路線まで幅広い。その中でフラッグシップモデルを生産しているのが、カシオのマザー工場・山形カシオだ。いまや中国製が当たり前になった腕時計市場で、国内の自社工場はめずらしい。

G-SHOCKハイエンドモデル「MT-G」は山形製

 なぜ工場の話をしているのかといえば、以前から「G-SHOCKやばい」とか「EDIFICE欲しい」とか書いていたところ、カシオの人から電話があり「盛田さん、山形工場に来てください」「来週来てください」と言われたのである。

 「すわ、これはもしや行くと高級腕時計を買わされたりするカシオの新商法なのかもしれないぞ」といぶかしみながらも山形まで行ってみたところ「なんじゃこりゃすげえ」と感動したということなのであり、今日はそんな話をしたい。

 一点先に言っておくと、製造ラインがまるで半導体工場なのである。

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