12月10日、日本ヒューレット・パッカードは新ストレージ製品の発表会を開催。HPE(Hewlett Packerd Enterprise)ブランドとなった「HPE 3PAR StoreServ」関連の新発表のほか、データ保護を行なう「HPE StoreOnce」や磁気テープ製品の「StoreEver」にもラインナップや機能の強化が行なわれた。
3PARのオールフラッシュ対応強化とデータ保護製品の拡充
今回発表されたのは、同社のプライマリストレージであるHPE 3PARに関する新製品、ソリューションおよびサービスになる。「3PAR Flash Acceleration for Oracle」は既存のシステムを使いつつ、ストレージを3PARに移行することで、データベースのパフォーマンスを最大75%引き上げられるサービス。HDDのストレージから簡単に移行するための12ヶ月の無償ライセンス「3PAR Online Import」でEMCだけではなく、IBM XIVにも対応。さらに新世代のSSDである3D NANDドライブもサポートした。
また、新製品として、ファイルとブロックに対応したユニファイドストレージ「HPE 3PAR StoreServ 8200 Converged File & Block Starter Kit」を投入するほか、VDIやSharePoint環境に対応するリファレンスアーキテクチャ、情報管理のためのHPE Softwareソリューションを発表した。
オールフラッシュに最適なバックアップ環境も用意する。重複排除対応のバックアップアプライアンス「HPE StoreOnce Systems」や従来に比べて大容量・高信頼な「StoreEver LTO-7」を用いることで、より効率化・統合化されたバックアップ環境を構築できるという。
HPE StoreOnceでは8TBの3100、12TBの3520、24TBの3540、48TBの5100などの新モデルが投入された。これら最新のHPE StoreOnceでは「StoreOnce RMC(Recovery Manager Central)」を経由することで、Microsoft SQLスナップショットを直接作成し、「HPE Express Protect」からStoreOnceのバックアップに移動できるようになった。メディアサーバーなしで二次バックアップをテープやクラウドに格納できる。
さらに磁気テープ製品では「StoreEver LTO7 Ultrium 15000」のテープドライブと「StoreEver 1/8 G2 LTO7 オートローダー」などを追加された。既存製品の最大2.4倍の容量、1.8倍の高速なアクセスを実現し、メディアの信頼性も大幅に向上。ディスクキャッシュを用いて「Tape as NAS」の利用により、ニアラインのコストでオンラインのスピードの容易性を提供するという。
オールHDDをオールフラッシュが上回った2015年
発表会に登壇した日本ヒューレット・パッカードでストレージ事業を統括する山口太氏は、「この1年、オールフラッシュと言い続けてきたが、おかげさまで非常に大きな成長を遂げた。弊社でも市場平均の3~5倍の急激な伸びを示している」と好調ぶりをアピール。2014年Q4(会計年度)に17%だったオールフラッシュの出荷が、直近の四半期では39%に成長し、フラッシュがHDDを上回ったという。
この成長は新ラインナップの強化、低価格・大容量のSSDを投入、あるいは実効容量を効率化するAdaptive Sparingのような独自技術でもたらされているという。海外ではスピード、信頼性、経済性などの点で他社ストレージからHPE 3PARに乗り換える事例が出てきたほか、アイシン・インフォテクスやライオンなどの国内事例も披露された。
続いて登壇した米HPE(Hewlett Packerd Enterprise)でストレージ部門を統括するビル・フィルビン氏は、オールフラッシュへの移行、フラッシュに最適化されたユニファイドストレージとデータ保護をテーマに製品や概要を説明した。
フィルビン氏は、HP 3PARのラインナップ拡充やオールフラッシュへの注力について説明し、「約半分以上のお客様が今後2年間でデータセンターはすべてオールフラッシュになると答えている」と指摘した。さらにフィルビン氏は、3PAR StoreServがSPC-2ベンチマークにおいて、EMC VMAXの半分の価格でありながら、より高速である検証結果が出たことをアピールした。発表会のプレゼンやリリースにおいても、デルに買収されたEMC製品からの移行が強く意識されているのが印象的だった。