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Windows Info 第55回

Xbox OneのOSがWindows 10ベースに One Windows化が進む

2015年12月09日 12時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII.jp

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OS自体はWindows 10ベースになったが
パソコンと同じOSでのユーザー側のメリットはまだ

 ざっと見た感じ、ユーザーから見た違いは、今回のアップデートはXbox Shellの部分に集中している。また、UWPアプリもTH2になり動作することは論理的に可能になったが、Xbox Oneには、Xboxストアしかなく、ここでの非ゲームアプリの配布は限定的だ。

 標準添付では、音楽アプリが「Groove Music」になり、動画アプリが「Movies&TV」と、Windows 10と同名のアプリに切り替わったが、画面表示などに違いがあり、中身的には、従来のXbox OSに付属していたXbox Music、Xbox Videoのマイナーチェンジ版という感じだ。このほか、SkypeやOneDriveアプリが提供されている。

標準付属の「Groove Music」。PC版とは画面構成などが違い、Xbox Oneに以前から搭載されていたXbox Musicに似ている

「Movie&TV」。PC版と違い、左上のハンバーガーボタンなどがなくカテゴリは横スクロールで切り替える

OneDriveアプリ。Windows 8に搭載されていたOneDriveアプリによく似ている。というか、以前からほとんど変わっていない

 また標準のウェブブラウザがEdgeとなったが、これも、画面構成などがPC版とは違う。たとえば、ウェブノートや読み取りビューといった機能がなく、閲覧中は、ツールバーもアドレスバーもタブも表示されない。

ウェブブラウザーのEdgeによるページ表示。タブ領域などは隠された状態

 アドレスバーはコントローラーのボタンを使って画面下部に表示できる。

コントローラーのボタン操作で、アドレスバーなどを表示できる。この感じはWindows 8のモダンUI側で動作しているIEに近い

 こうした動作の感じは、どちらかというとWindows 8のモダン環境でのIEの動作に近い。ただし、ブラウザのユーザーエージェントヘッダを見ると、PCのTH2に付属するEdgeと同じく「Edge/13.10586」という記述があり、エンジン部分はEdgeと同じものと思われる。

 Windows10には、Xbox Oneの画面をネットワーク経由で受け取り表示する「ストリーミング」機能がある。これは、Windows 10標準のXboxアプリで行う。

Windows 10に付属のXBoxアプリ。ここからネットワーク経由でXboxを操作できる

 ストリーミングを開始すると、Xbox Oneの画面がそのまま表示され、Xbox OneのコントローラーをUSB接続して操作することができる。基本的に操作は、USB接続したXbox Oneコントローラーからのみ行ない、マウスやタッチでは操作できない。

 唯一、Xbox側がテキスト入力になったときのみ、専用のテキスト入力ダイアログが表示され、PC側のキーボードから入力が可能だ(これを回避してXbox One同様コントローラーを使ってソフトキーボードから入力することも可能)。コントローラーを接続するのが面倒だが、逆に、タッチやマウスでのXboxアプリのウィンドウ移動などでは、XboxOne側になんの影響も与えず、ウィンドウを動かしたらゲームが勝手に再開するといったことにはならない。

XboxアプリでXbox Oneの画面をストリーミング表示しているとき、キー入力だけはこのようなダイアログを表示してPC側キーボードが利用できる。通常Xbox Oneでは、スクリーンキーボードをコントローラーで操作して文字入力行なう

 このXboxアプリもTH2のリリース後、アップデートが行なわれており、FacebookからXbox Liveの友達を探す機能や、Xboxストアへのアクセス機能などが追加された(従来はWindowsのアプリなので、Windowsストアにのみアクセス可能だった)。

 なお、原稿執筆時点でWindowsストアには、Xbox(ベータ)というアプリも登録されているが、すでに標準のXboxアプリのほうがバージョン番号が大きくなっており、ベータ版の機能が正式版に取り込まれているようだ。このため機能的には、フィードバックアイコンの有無程度しか違いがない。なお、今回の記事では、このXboxアプリを使ってXbox Oneの画面をPC側に表示させて画面キャプチャを行なった。

 Xbox OneのWindows 10へのアップグレードは、内部的なものが大きく、逆に見た目は、Xbox One画面やXbox Shellのリニューアル程度でしかない。WindowsストアにあるUWPアプリもいまのところ利用できず、「Xbox OneがWindows10になった」という印象はそれほど大きくない。もっとも、マイクロソフト的には、ソースコードや開発リソースの共有など、メリットはあるのだろう。

 なお、コルタナに関しては、プレビュー版に組み込まれていたようだが、現在のバージョンでは有効になっておらず、年内に利用可能になる予定だという。残念ながら、今回のアップグレードは、とりあえず、XBox OneのOSがWindows10 TH2ベースになった“だけ”の状態だといえる。

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