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かつてはパソコンテレビ「X1」も生産、4Kテレビを生み出すシャープ栃木工場を見てきた!!

2015年12月02日 11時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉

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今後の方向性 - 8K時代、IoTの流れを見据えた展開を強化

 さらに、シャープでは、今後の方向性についても説明。「人が得る情報の9割を占めるのが聴覚と視覚。ここに訴える家庭内のディスプレイは、情報の窓であり、絶対に無くならない。その中で、インフラの進化、IoTの流れという2つの観点から、従来のテレビを超えた新たな価値創造が重要である」と語る。インフラの進化では、8K時代を見据えた展開を強化。8K映像モニターをデジタルサイネージ用途のほか、企業のデザイン部門や研究部門、医療分野への応用などを想定。

 IoTについては、シャープが取り組むAIoT(AI+IoT)を搭載した機器などとの連携や、ネットコンテンツの活用において、最適化した機器へと進化させるとともに、新たなサービスを生むプラットフォームとして、液晶テレビを活用していく姿勢を示した。

液晶テレビ事業は来年度での通期黒字転換を目指す

 一方、同社の液晶テレビ事業戦略についても説明した。

 シャープ コンシューマーエレクトロニクスカンパニー カンパニーEVP兼デジタル情報家電事業本部長の小谷健一執行役員は、液晶テレビ事業が、2015年度第1四半期(2015年4~6月)には173億円の赤字であったものの、2015年度第2四半期(7月~9月)には23億円の黒字へと転換したことに触れながら、「下期は黒字化を維持し、来年度での通期黒字転換を目指す」と宣言した。

 2015年度通期では、第1四半期の赤字をカバーできず、営業赤字となる見通しはそのままとしたものの、「国内については、2015年度通期で黒字を目指す」と述べた。

 現在、同社の国内4Kテレビ市場におけるシェアは約30%。トップシェアとの認識を示す一方、「50型以上の4Kテレビでは、40%近いシェアになっている。低反射を実現するN-Blackパネルの採用や、スイーベルスタンドの採用によって、視聴位置にあわせて画面の角度を調整できるといった機能が高い評価を得ており、顧客が望む機能を追加することが受けている」とした。2016年度には、国内の4Kテレビのシェアで40%を目指すという。

スイーベルスタンドを採用したLC-60US30

スイーベルスタンドによる視聴しやすい角度に移動できる

年末商戦に向けた液晶テレビの営業戦略

 さらに、同社では、年末商戦に向けた液晶テレビの営業戦略についても言及した。

 国内テレビ市場は、2011年度までの特需の反動期から抜け出ておらず、ビーク時の1/5となる年間500万台の市場規模に停滞していることを指摘。その中で、買い換えを促進するような「気づき提案」が年末商戦の鍵になると語る。

 シャープエレクトロニクスマーケティング 専務取締役の居石勘資氏は、「今のテレビが、家族がもっと楽しくなるテレビに変わっていることを伝えることが必要だ」とし、「テレビでは、買い換えの動機に、上位機種へのアップグレードを挙げている人が20.9%を占めている。4Kになったことで、美しい映像が観られること、臨場感が違うこと、ネットフレックスなどの新たなサービスを体験できることを伝え、上位機種に買い換えるきっかけや気づきを与えたい」とする。

シャープエレクトロニクスマーケティング 専務取締役の居石勘資氏

 特に、年末商戦の新たな提案の軸に据える4K-NEXTでは、2Kテレビとの画質比較や、2K放送のアップコンバードによって、8K並の解像度を実現していることを訴求する考えだ。また、11月21日からは、きゃりーぱみゅぱみゅさんを起用した4Kテレビの新CMを放映することでの訴求を図る。

 なお、2016年度以降は、テレビの買い換えサイクルが約7年であることから逆算して、地デジ化およびエコポイントによる特需が発生した2009年以降に購入したテレビが買い換えサイクルに入ってくること、4K/8Kの試験放送が国内で開始されるなど、テレビ需要が回復期に入ってくると予測しており、その中で4Kテレビの事業に力を注ぐ姿勢を示した。


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