事業部門や経営会議を含む「すべてのユーザーにアナリティクスを提供」
HANAベースのSaaSで分析を、「SAP Cloud for Analytics」発表
2015年12月02日 06時00分更新
SAPジャパンは12月1日、SaaS型のクラウド分析ソリューション「SAP Cloud for Analytics」の提供を開始した。ハイパフォーマンスな「SAP HANA Cloud Platform(HCP)」を基盤として、BIやアナリティクス、プランニング、ガバナンス管理などのサービスを提供していく。
SAP Cloud for Analyticsは、SAPや同社パートナーのクラウド環境から提供されるSaaSスイート。顧客は、ユーザー単位の月額制で(具体的な料金は未発表)、WebブラウザからHANAベースの高速なデータ分析サービスを利用できる。今回はまず「Cloud for Analytics for BI」と「Cloud for Analytics for Planning」の2サービスを提供開始した。
オンプレミスのERPや業務アプリケーション、データベース、またSalesforceなどのサードパーティクラウドとの連携により、それらに格納されているデータもデータソースとして活用し、分析することが可能。
Cloud for Analytics for BIでは、業務部門(LOB)のユーザー自身でも扱えるBI機能を提供する。ブラウザから幅広いデータの抽出や整理、結合、可視化、ダッシュボード構築を簡単に実行することができる。
Cloud for Analytics for Planningでは、事業計画策定や予実管理の機能を提供する。リアルタイムな実績データを把握でき、規模や粒度、頻度を問わない計画とシミュレーション業務を実行できる。
また、サービス全体を経営会議向けにダッシュボード化できる「SAP Digital Boardroom」も提供される。詳細データへのドリルダウンができるインタフェースを備え、必要な情報に対してリアルタイムにアクセスできるため、経営会議の場で担当役員が直接意思決定のできるスピード感を支援する。
発表会に出席したSAPジャパン バイスプレジデント プラットフォーム事業本部長の鈴木正敏氏は、「今回発表のCloud for Analyticsは、SAPが注力しているHANA、アナリティクスという2つの軸、そして企業のデジタライゼーション(デジタル変革)のキーとなるソリューションである」と紹介した。
またシニアソリューションプリンシパルの高橋正樹氏は、SAP Cloud for Analyticsは、同じプラットフォーム上で展開する“1製品”ではあるものの、幅広い機能コンポーネントをを提供していくと説明。2016年中には、将来予測(Predictive)やガバナンス/リスク管理(GRC)といった新たなサービスも順次リリースしていく予定だと述べた。
同サービスの販売戦略について鈴木氏は、クラウド型で提供することにより、LOBを含むあらゆる部門において「アナリティクスの新しいエクスペリエンスを享受いただきたい」と語った。また、国内では特にパートナーとの関係が重要であるとし、パートナーが提供するアプリケーション群に同サービスの機能を組み合わせ、企業の事業強化に貢献していくと述べている。