PayPalは11月5日、ヤマダ電機のネット通販サイト「ヤマダウェブコム」がPayPalによるID決済に対応したと発表。PayPalユーザーは、ヤマダウェブコムの決済時にPayPalボタンから決済することで、住所や名前などを入力することなく決済に進むことができる。
今回の対応に合わせてヤマダウェブコム自体のUIも一新され、各商品ページからゲスト購入しやすくなるなど、ユーザーにさらに買ってもらいやすく仕組みを提供する。
同日PayPalが実施したプレス向けの説明会のスピーカーとなったPayPal日本支店の杉江部長によれば、現在、ECサイトでは、カートに商品を入れたものの実際には決済されない「カゴ落ち」が増加する一方、会員登録された生年月日が必ずしも正しくないなど"個人情報の不完全さ"も問題になっているという。
具体的にはカゴ落ち率は60%(2006年)から71%(2013年)へと増加。その理由のなかには「会員登録が必要だったから」「購入フローが煩雑」「送料が最後までわからなかった」(以上、PayPal発表)などUX設計を理由にするものが挙げられる。
PayPalによれば、ネット通販先進国であるアメリカでは、トップ25のECサイトのうち、会員登録が"必須"とするECはわずか2つに対し、日本のECでは21のサイトが登録必須なのだという。
そのUX設計自体がカゴ落ちを増加させており、しかも登録されるデータは生年月日が適当に入力されているなど不正確なのであれば、ユーザー分析(CRM)としての根拠も薄い。それなら、ID決済でユーザー情報を管理したほうが、買い手は入力の手間なくスムーズに商品が買え、売り手(EC)もより正確なユーザー情報を活用できる、ということになる。