「売れるECサイト」は何をやっているのか? 7000社超のEC支援実績を持つ「いつも.」のコンサルタントが、売上アップに欠かせない戦略・戦術・施策をまとめた書籍『ECサイト[新]売上アップの鉄則119 オムニチャネル時代の集客から接客まで』から、現場ですぐに使えるノウハウを厳選して紹介します。
Webサイトのコンテンツを充実させることでお客さまを集める「コンテンツマーケティング」が注目されています。検索エンジンからの流入と情報収集目的のリピーターを増やすことで、ECサイトの売上アップが期待できます。
コンテンツマーケティングが有効な理由
コンテンツマーケティングとは、価値のある良質なコンテンツを作り、お客さま(見込み客)を集めるマーケティング手法です。従来のマーケティングの多くは、メールを送ったり、広告を打ったりして、お客さまにこちらからアプローチして半ば強引に呼び込む施策でした。これに対して、コンテンツマーケティングは、お客さまにコンテンツを見つけてもらい、Webサイトに訪問してもらうアプローチです。
ECサイトでコンテンツマーケティングが必要とされる理由の1つは、検索エンジンによる集客が期待できることです。Googleの検索エンジンは、よりよいコンテンツを持つサイトを評価し、上位に表示する流れにあります。一定のボリューム(文字数、ページ数)があり、内容に優れたコンテンツを定期的に更新していけば、検索結果の上位に表示される可能性は高まります。
コンテンツマーケティングが必要とされるもう1つの理由は、お客さま(優良顧客)を育成できることにあります。用意したコンテンツを読んでもらうことで、お客さまの知識量が増え、商品購入へのハードルが下がり、売上アップにつながります。また、コンテンツの充実によって、情報収集を目的として繰り返し訪れるお客さまも増えていきます。すぐに購入しなくても、何度も訪問を重ねていくうちに、商品への興味関心は次第に高まっていきます。
お役立ち情報の充実に取り組む
ECサイトにおけるコンテンツマーケティングの具体的な取り組みとしては、商品に関連するお役立ち情報を作る方法があります。
例えば、AV機器を販売しているECサイトなら、「プロの音のある生活」とった特設ページを作り、よい音を楽しむために役立つ予備知識や必要な機材を説明するコンテンツを作っていきます。その中でさりげなく自社の商品を紹介すれば、購入へのモチベーションを高められます。同様に、美容健康サイトであれば、肌の悩みを抱えている人に生活習慣の改善をすすめるコンテンツを用意し、美容家電を紹介します。食品であれば、食材を使った料理のレシピコンテンツを充実させます。
コンテンツは、商品に直接フォーカスしなくても、お客さまに「へぇ〜」と感じてもらえれば構いません。必要なのは、売るためのコンテンツではなく、お客さまに役に立つコンテンツです。検索エンジンで訪れた新規のお客さまだけでなく、既存のお客さまにも喜ばれるコンテンツを用意し、再訪問を促すようにしましょう。