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情報の取り扱い説明書 2015年版 第14回

インターネット上のテキストこそが最大の電子書籍

電子書籍がブレイクしない意外な理由とは

2015年10月13日 10時00分更新

文● 高橋幸治、編集●ASCII.jp

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16世紀の知識人が入手できた情報の量は今よりはるかに少ない

 ちなみにヨハネス・グーテンベルクが活版印刷を発明したのは1455年頃と言われている。

 イギリスの歴史学者ピーター・バークの「知識の社会史:知と情報はいかにして商品化したか」によれば、「エセー」の著者モンテーニュ(1533~1592)の蔵書は約300冊、「法の精神」の著者モンテスキュー(1689~1755)の蔵書は約3000冊だったと記されている。

Image from Amazon.co.jp
イギリスの歴史学者ピーター・バークによる力作「知識の社会史:知と情報はいかにして商品化したか」(新曜社刊)。人間と情報との関係をさまざまな角度から歴史的資料ももとに紐解いていく

 もちろん同じフランス人とはいえ、モンテーニュとモンテスキューではその専門領域も違いえば、読書に対するスタンスも違うだろうから、一概に単純な比較はできない。だが、おおよそ、同じ国に住む知識人の入手し得た活字情報が約150年の間でどれくらい膨張したのか、ひとつの目安にはなるだろう。

  この増加はとりもなおさず印刷技術の発達、製造コストの低価格化、交通網/物流網の整備などによるものだが、いずれにしても16~18世紀においては、後世に名を残すほどの偉人でさえ、生涯で接触できたテキストデータの総量はせいぜいこの程度である。19世紀になると各国で新聞という新しいテキストメディアが登場するものの、現在のように一般庶民がくまなく新聞を購読できるようになるまでにはその後もまだまだ時間がかかっている。

(次ページでは、「紙をデータにした電子書籍に新鮮味がないのはなぜか」)

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