2016年3月14日~18日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される、世界最大のBtoBのIT展示会“CeBIT 2016”、日本のメディア、ジャーナリストを集めたプレスミーティングが2015年10月7日に都内で行なわれた。ドイツからドイツメッセのCeBIT担当営業本部長レインホールド・ウーミンガー氏と、CeBITカンファレンス担当部長トーマス・モッシュ氏が来日し、イベントの概要を説明してくれた。CeBIT 2016のテーマはデジタルとエコノミーを合わせた造語の“d!conomy(ディコノミー)”が2015年に続き使われる。デジタル化があらゆる分野に浸透し、継続的・長期的に経済、社会を変革化させる力を持つというメッセージが込められている。
CeBITはもともと、コンシューマー製品も含めた総合展示会だったが、2014年に内容をBtoBに限定、来場者もビジネス・商談に特化させた展示会となっている。BtoCよりも収益率の高いBtoBに特化することで、IoTを駆使した新たなる産業革命と呼ばれる“インダストリー4.0”を推し進めるドイツの政界、財界と足並みをそろえ、世界のICT市場をリードしようという狙いを見せている。経営陣の参加も多く、来場者は15万ユーロの投資予定を持って会場に訪れているというデータがあるという話しもしてくれた。ただかつては日本からも大手企業が参加していたが、2015年の日本からの出展は現地法人を含めて16社となっており、全体の出展が3300社でドイツ国外からの参加が45%という中で少しさみしい状況になっているのが現状だ。
またスタートアップにも力を入れており、起業から5年以内の企業に対して出展費用を抑えたリーズナブルな特別ブースを用意するなどして、2015年は350社以上のスタートアップ企業が欧州中から参加するなど盛り上がりを見せている。スタートアップが既存の企業にコントタクトを取れるプラットフォームにすることを目的とする。スタートアップが専門に集まる11号館を“scale11”と名づけ、ほかのブース会場が18時で閉める中、夜も会場を開けていろいろなミーティングなどのプログラムも用意している。投資家や企業の経営陣を集めて、スタートアップがプレゼンを行なえる機会も用意する。実にスタートアップらしいといえる催しだが、はたしてCeBITは日本からもスタートアップ企業が参加すべきイベントなのか。
トーマス・モッシュ氏によると「CeBITはBtoBに特化したカンファレンスで、BtoCでも出展はもちろん可能だが、BtoBを狙った企業に出てもらいたい。来場者はITの責任者及び専門家ばかり、欧州内でビジネスを狙っているようなスタートアップは成功の可能性があり、アジアのマーケットを狙ったBtoCは効果は少ない」と答える。同じドイツのIFAや、スタートアップの台頭も大きいアメリカのCSEなど、わかりやすいコンシューマー向けも含める大規模展示会と比べるとやや参加のハードルは高いと言えそうだ。ただ地域にとらわれないサービスを提供しており、BtoBで欧州、世界市場を狙い、そのハードルを超えても挑戦したいというスタートアップにはチャンスもありそうだ。
■関連サイト
CeBIT 2016