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iPhoneで楽しむワイヤレスミュージックライフ 第3回

1万円台から!? 最新ミニコンポで味わう高音質ワイヤレスミュージック

2015年10月07日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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ジャケ写もきれいなカラーディスプレー搭載
パイオニア「XC-HM82」&「S-HM82」

パイオニア「XC-HM82」とスピーカー「S-HM82」

パイオニア「XC-HM82」とスピーカー「S-HM82」

 パイオニア「SC-HM82」(実売価格 3万9000円前後)は、サイズ感こそミニコンポだが、3.5型のフルカラー液晶を搭載したデザインを含め、同社の単品ネットワークプレーヤーに近い印象のネットワーク対応CDレシーバー。

 こちらも単体販売製品なので、スピーカーは「S-HM82」(実売価格 1万8200円前後)を組み合わせた。

 CDプレーヤー、FM/AMチューナー(FMワイド放送対応)を内蔵し、Bluetooth、Wi-Fi(AirPlay対応)にも対応する。ハイレゾ音源はリニアPCM最大192kHz/24bit対応だ。

SC-HM82の前面。大きな液晶ディスプレイが目を引くデザインで、同社の高級コンポに通じるものがある。CDドライブのほか、前面にUSB端子を備える

SC-HM82の前面。大きな液晶ディスプレイが目を引くデザインで、同社の高級コンポに通じるものがある。CDドライブのほか、前面にUSB端子を備える

電源ボタンや基本操作のためのボタンは上部に配置。ヘアライン仕上げとなった前面パネルの仕上げも高級感がある

電源ボタンや基本操作のためのボタンは上部に配置。ヘアライン仕上げとなった前面パネルの仕上げも高級感がある

 特徴的なフルカラー液晶のディスプレーは、ジャケット写真の表示にも対応した日本語表示ディスプレーで、ネットワーク再生での楽曲情報の表示はもちろん、選曲や各種の設定も手軽に行なえる。

S-HM82の前面と背面。スピーカーは2ウェイでツイーターは音の広がりを豊かにするホーン形状を採用。背面はスピーカー端子とバスレフポートがある

S-HM82の前面と背面。スピーカーは2ウェイでツイーターは音の広がりを豊かにするホーン形状を採用。背面はスピーカー端子とバスレフポートがある

 スピーカーはオーソドックスな外観の2ウェイ構成だが、質の高いユニットの採用やフィルムコンデンサーを採用したネットワーク回路を備えるなど、単品コンポーネントに迫る作り込みとなっている。エンクロージャーはもちろんリアルウッドだ。

SC-HM82の背面。入力はオーディオ入力が2系統、光デジタル入力が1系統となる。サブウーファー出力も備える。このほかはFM/AM放送用のアンテナ端子、USB端子がある。Wi-Fi用アンテナは上部の左右2箇所に備える

SC-HM82の背面。入力はオーディオ入力が2系統、光デジタル入力が1系統となる。サブウーファー出力も備える。このほかはFM/AM放送用のアンテナ端子、USB端子がある。Wi-Fi用アンテナは上部の左右2ヵ所に備える

 最新のミニコンポはいずれも音質にこだわった作りを採用しているが、XC-HM82はさらなるこだわりが垣間見られる。まず、電源部はアナログ部とデジタル部でそれぞれ独立。アナログ部はさらにプリ部とパワー部で巻線を分離させ、相互の干渉を排除している。もちろん、ネットワーク回路とアンプ回路は基板ごと独立させ、徹底したセパレート設計になっている。

 アンプ回路の「Direct Power FET」は、ほかの製品と同じくデジタルパワーアンプだが、同社の単品コンポやAVアンプでも採用されている。素子の使いこなしのノウハウも十分に蓄積されており、素子の特性をフルに活かした再生ができる。

SC-HM82の底面。ミニコンポでは珍しくしっかりとしたインシュレーターを備える。内部の作り込みも含め、単品コンポグレードだ

SC-HM82の底面。ミニコンポでは珍しくしっかりとしたインシュレーターを備える。内部の作り込みも含め、単品コンポグレードだ

 このほか、オペアンプは左右で独立させるなど、なかなかにぜいたくな作りだ。価格はほかの製品と大きく変わらないし、あくまでミニコンポのカテゴリーに分類される製品だが、こうして見ていると単品コンポのエントリーモデルという感じにも見える。

解像度が高く、引き締まった力強さが印象的
鍛え上げられたマッシブな音

 USBメモリーを接続して再生した音は、ずばりマッシブな力強い音。といっても、パワーでごり押しするような大味なものではなく、鍛え抜かれたアスリートの筋肉のように極太だが引き締まっている感触。

 このため、クラシックの低音弦の鳴りに厚みが出てくる。個々の音もタイトに引き締まっており、定位のよさもあって、鮮明で写実的な再現になる。

 ポップスでは、ボーカルの声を解像感高く再現し、高音域の伸びも鮮明だ。シンセサイザーのベースはモリモリとパワフルで、しっかりとしたスタンドに置かないと音が濁ってしまうほど。きちんと鳴らすにはスピーカーのセッティングもしっかりと行なう必要があるほどの手強さもある。

 Bluetoothでは、多少解像感が劣ってしまう感じはあるものの、引き締まった低音のパワー感や鮮度の高い音色はそのままで、聴き応えは十分。パワーアンプ素子が単品コンポと共通ということもあって音質的な傾向も引き継いでおり、満足度の高い再生音になる。

(次ページに続く、「昔懐かしい顔付きながら100kHzの超高域再生 パナソニック「SC-PMX100」」)

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