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Windows 10への期待を受け、アイキューブドと日本MSが協業

「CLOMO MDM」サービス基盤をAWSからAzureへ全面移行

2015年10月02日 14時30分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

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左から、Microsoftプレジデントのジャンフィリップ・クルトワ氏、日本マイクロソフト代表取締役社長の平野拓也氏、アイキューブドシステムズ代表取締役社長の佐々木勉氏

 アイキューブドシステムズ(以下、アイキューブド)と日本マイクロソフト(以下、マイクロソフト)は10月2日、モバイルデバイス管理(MDM)分野での協業を発表した。

 「CLOMO MDM」のサービス基盤をAmazon Web Services(AWS)からMicrosoft Azure(Azure)に全面移行するほか、Windows 10やクラウド型セキュリティソリューション「Enterprise Mobility Suite(EMS)」との相互連携を強めていく。

CLOMO MDMをAzureに全面移行するほか、Windows 10やEMSとの相互連携を強める

 マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓哉氏は、「7月に社長に就任してから訴求し続けている『変革』。PC一辺倒から人に軸足を変え、革新的で親しみやすいクラウドとデバイスを提供しようと、エコシステムとして推進している。今回はその象徴的な協業となる」

マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓哉氏

 「企業ではモバイル活用が一般化し、プラットフォームを問わない端末管理やセキュリティの要望が高まっている。Windows 10への期待も高く、その端末管理をすべてクラウドで行えるCLOMOのビジネスモデルは魅力的だった。当社で発表した『IoT Suite』などにより、IoT時代の新たなフレームワークも目指しつつ、地球上の全ての個人と組織がより多くのことを達成できるお手伝いをしていきたい」と、本協業の背景や狙いを説明した。

 CLOMO MDMでは、11月にWindows 10対応を図り、2016年春頃にEMSとの連携を予定する。EMSは「Azure Active Directory Premium」「Microsoft Intune」「Azure Rights Management Premium」「Advanced Threat Analytics」で構成されたクラウド型セキュリティソリューション。

 アイキューブド 代表取締役社長の佐々木勉氏は「EMSとの連携により、デバイスと社内資産をシームレスに連携できるようになる」と語る。

アイキューブド 代表取締役社長の佐々木勉氏

 さらに2016年内をめどに、CLOMO MDMのサービス基盤をAWSからAzureへ全面移行する。これには多大な工数が予想されるが、なぜいまあえて移行を決意したのか。理由は、Azureの「サポート品質」「TCO」「法人向け機能の豊富さと対応スピード」にあるという。

 「最大の理由は、Windowsは法人市場で圧倒的なシェアを持ち、Windows 10になってPC・モバイル・IoT・コンシューマ機器など搭載端末の多様化が見込まれる。それに伴い、顧客やパートナーからの要望が高まっていたこと。今回の協業は、顧客へ最適なデバイス選択の機会を提供したいという自分たちの考えにマッチしており、マイクロソフトの新しい戦略と取り組み――例えばIoT Suiteやマシンラーニングの提供なども魅力的に思えた。さらに安定性、サポート力も高いということで移行を決めた」(佐々木氏)

 その後もWindows 10搭載端末のユニークで先進的な機能に対応したCLOMO MDMを提供していく。モバイルデバイス上でセキュアにアプリを使えるようにする「CLOMO SECURED Apps」も「for Windows 10」版としてリリースし(時期は未定)、Office 365などへ順次対応するとしている。

 またこれを皮切りに、アイキューブドではIntel、VAIO、Dellなどのチップメーカー、デバイスメーカーとの協業も深める。マイクロソフトの技術支援を受けながら、マーケティングや営業面でも連携し、CLOMO MDMにおいて初年度 、Windows搭載端末に対して10万ライセンスの販売を目標とする。さらに今後3年間でWindowsおよび他のプラットフォームを含む総管理デバイス数を100万台以上に成長させる方針だ。

後3年間でWindowsおよび他のプラットフォームを含む総管理デバイス数を100万台以上に

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