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盛田 諒の“インタビュー前陣速攻”

大人気『ダンボーバッテリー』世界に挑む大阪のおっちゃん

2015年09月30日 17時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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ケーブルも製品ラインナップに入っている

できるうちはチャレンジしたい

──しかし社長さん、67歳です。よく新しいことやったろうと思いましたね。

32歳で会社をつくって、バッテリーをやったのが64歳のときですからね。定年退職になる年齢ですけど、出来ることなら70歳過ぎてもチャレンジしていきたいと思います。僕らみたいな60~70代は現場で鍛えられて実践経験がありますが、ほんとは若い人たちも現場で鍛えられ、モノづくりのノウハウを、失敗しながらでも収得してもらいたいと思ってます。

──実感を持ってモノをつくってほしいと。

機械部品だと、たとえば立体駐車場は場合によって1物件あたり億単位の金が動きます。我々の供給している部品は一個あたり数千円、数百円。それが原因でトラブってしまうと結果として何億円もの機械が動かなくなるわけです。立体駐車場が動かないということは、マンションの住民の方々がトラブルに巻き込まれるわけです。たとえ億単位の機械でも、部品はたった数百円でしかない。それを知ってモノづくりをしないといけないわけです。

──何かやらかしたことがあるんですか。

十数年前、トラック2台ぶんの部品を全部ダメにしたことがあるんですよ。それでも一生懸命修理して、暑いさなかの8月に修理して、どうですかと持って行ったら「ダメや」と言われて全部スクラップ。

──ひ、ひええー!

モノづくりって、サンプルはみんなできるんですよ。それを大量生産するときどうするかというのがわれわれのノウハウ。われわれはつねにロットでモノづくりを考えてきたから。だから、年取ってからもモノづくりができるんです。

──どんなに時代が変わろうと、モノの根幹は変わらんと。

何年先になるかはわからないですが、次のバッテリー、新材料ができればとも思ってますよ。材料はいろんなところで研究してます。新素材を使い、安全性を高めるバッテリーをできないだろうかと、固定燃料、量子電池、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーなどいろいろ勉強している最中です。

──ハードウェアスタートアップというと、若者がアイデア一発で勝負するイメージがありますが、今後は熟練の技能がさらに重要になる気がします。

ま、こういう企業もあってもええんちゃうかなと。成功するか成功しないかはわからないけど、できるうちはやりたい。チャレンジしたいと思いますね。


■関連サイト

著者紹介──盛田 諒(もりた・りょう)

1983年生まれのインタビュアー。谷川俊太郎さんからインフラ系エンジニアまで100人以上に話を聞いてきた。KADOKAWAではオンラインメディア『大江戸スタートアップ』旗揚げに携わる。メッセージはFacebookまで

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