さくらインターネットが2年目の挑戦。石狩でフェス会場を歩き回り、裏話も聞いてきた
真夏のフェスRSR、Wi-Fi提供に奮闘するさくらもアツかった!
2015年09月04日 09時00分更新
「イベントそのものの価値を高めるような提案もしていきたい」
キャプティブポータルを用意したもう1つの理由として、宮下さんは「ポータル上でのコンテンツ提供」という将来的なアイデアを挙げた。空港のフリーWi-Fiポータルで施設案内やフライト情報が見られるように、RSR会場に行ってWi-Fiにつなぐと、会場内のイベント情報がリアルタイムに得られる――そんなイメージだ。
「将来的には主催者や協賛各社とタッグを組んで、来場者に役立つさまざまなコンテンツが提供できたら面白いですね。必要なら、近所にデータセンターもありますし(笑)」(宮下さん)
もう1つ、「主催者や出店ブースなど、バックヤードへのネットワーク環境の提供」というアイデアもあるという。RSR会場には、フードやドリンクの屋台だけでなく、コンビニや郵便局のブースまである。さらに、プロモーションやマーケティングを兼ねて、アウトドアブランドや旅行会社など幅広い企業がブース出店している。高品質なネットワーク環境が整えば、ほかの野外フェスにはない新たなサービスやエンターテインメントが可能になるかもしれない。
「現在はそれぞれブースごとに、フレッツやモバイルルーターを使ってネットワークを準備されているようなのですが、どうせならまとめて任せていただけたら、トータルの通信コストも下げられそう……などと考えています」(宮下さん)
全国で開催される“夏フェス”は毎年増えており、すでに大小合わせて100を超えるという。その中で生き残っていくためには、フェスとして独自の特色や価値を持ち続けなければならない。「RSRでの取り組みは、できれば長く続けていきたいと考えています。そのためにも、イベントそのものの価値を高められるような提案を主催者側にしていきたい」と、宮下さんは熱く語る。
RSRの期間中(8月14~16日)、7カ所のフリーWi-Fiスポットでの述べ接続数は7266、重複を除いた接続ユーザー数は2488人だった。単純には比較できないが、昨年(1カ所)の接続数が507だったことを考えると、その利用者は大幅に増えたと言えるだろう。
来年もまたやりたいですか、という筆者の問いに「やりたいですね」と笑顔で答えた宮下さん。「来年こそは回線の品質を上げて……」とその話は尽きない。宮下さんの頭の中では、すでに来年のプロジェクトがスタートしているようだった。