5型オーバーの大型スマホが標準となりつつあるなか、それでもポツポツと小さめのスマホが投入されている。片手操作の多い人には根強い需要があるだろうし、画面サイズを維持しつつ横幅などは抑えたモデルも登場している。今回からはそんな3台を集めて比較する。
小型スマホのスペックはフラグシップ機と同じ?
今回は“片手操作がしやすそう”という基準で小さめのスマホを集めた。それがNTTドコモの3機種で「Xperia A4 SO-04G」「Galaxy S6 SC-05G」「AQUOS EVER SH-04G」となる。
とは言いながら、この3機種の中で画面サイズが5型以下なのはXperia A4のみ。Galaxy S6は5.1型、AQUOS EVERは5型と画面サイズだけなら大型と言える。それでも最近のスマホの中では比較的小型なのだ。
またGalaxy S6とAQUOS EVERはともに薄型、フレームレスの実績があるシリーズで片手操作はしやすいだろうと考えた。実際に横幅も約71mmだ。そんな3機種の簡単な概要は以下のとおり。
●ドコモ「Xperia A4 SO-04G」
おなじみXperiaシリーズの中でも、ドコモからのみリリースされるコンパクトモデル。高画素カメラ、広角25mmの高性能レンズ、ハイレゾ再生やノイキャン対応の高音質オーディオ、長持ちバッテリーとうたい文句は上位機種と基本的に同じ。
●ドコモ「Galaxy S6 SC-05G」
以前取り上げたGalaxy S6 edgeのスタンダード版。曲面のエッジスクリーンは無いものの、約6.8mmと非常に薄く、オクタコアCPUを搭載するなど、基本スペックはGalaxy S6 edgeと同じなので夏モデル最強クラス。しかし、こちらはドコモからのみのリリースだ。
●ドコモ「AQUOS EVER SH-04G」
“ちょうどいい”使い勝手をうたい、3日間の電池持ちや、軽さ、自撮りに強いカメラが特長。上位モデルのAQUOS ZETAと違いIGZOパネルを採用していないが、それでもスタミナに自信アリ。後述するように主要3キャリアがリリースする端末としては珍しく、ミドルクラスの性能だ。
主なスペック、対応機能をまとめたのが以下の表だ。
ドコモ 「Xperia A4 SO-04G」 |
ドコモ 「Galaxy S6 SC-05G」 |
ドコモ 「AQUOS EVER SH-04G」 |
|
---|---|---|---|
メーカー | ソニーモバイル | サムスン電子 | シャープ |
本体サイズ | 約66×128×9.1mm | 約71×143×6.8mm | 約71×133×9.7mm |
重量 | 約129g | 約138g | 約139g |
画面サイズ | 4.6型 | 5.1型 | 5型 |
画面解像度 | 720×1280ドット | 1440×2560ドット | 720×1280ドット |
OS | Android 5.0.2 | Android 5.0.2 | Android 5.0.2 |
CPU |
クアッドコア 2.5GHz |
オクタコア 2.1GHz+1.5GHz |
クアッドコア 1.2GHz |
ROM/RAM | 16GB/2GB | 32GB/3GB | 16GB/2GB |
メモリーカード | microSDXC(128GB) | × | microSDHC(32GB) |
下り最大通信速度 | 150Mbps | 225Mbps | 150Mbps |
4G対応周波数 |
2GHz/1.7GHz /1.5GHz/800MHz |
2GHz/1.7GHz /1.5GHz/800MHz /700MHz |
2GHz/1.7GHz /1.5GHz/800MHz /700MHz(海外のみ) |
キャリアアグリゲーション | × | ○ | × |
VoLTE | ○ | ○ | ○ |
連続通話時間 | 990分 | 930分 | 960分 |
無線LAN |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
IEEE802.11ac (2.4/5GHz対応) |
IEEE802.11n (2.4GHz対応) |
テザリング | ○ | ○ | ○ |
カメラ画素数 | 2070万画素 | 1600万画素 | 1310万画素 |
インカメラ | 220万画素 | 500万画素 | 210万画素 |
防水/防塵 |
IPX5/ IPX8/IP6X |
×/× |
IPX5/IPX7/ × |
ワンセグ連続視聴 | 9時間50分 | 7時間40分 | × |
フルセグ連続視聴 | × | × | × |
FeliCa | ○ | ○ | ○ |
赤外線通信 | ○ | △ | ○ |
NFC | ○ | ○ | ○ |
Bluetooth | 4.0 | 4.1 | 4.0 |
MHL(HDMI) | ○ | ○ | × |
Miracast | ○ | ○ | ○ |
SIM形状 | nanoSIM | nanoSIM | nanoSIM |
バッテリー容量 | 2600mAh | 2550mAh | 2450mAh |
Qi | × | ○ | × |
カラバリ | Blue、White、Gray、Pink | Gold Platinum、White Pearl、Black Sapphire | Gold、Pink、White、Black |
単純にスペックだけを見れば、Galaxy S6の勝ち。オクタコアのCPU、3GBメモリー、通信速度はPREMIUM 4Gの下り最大225Mbps、700MHz帯対応と最新のハイスペックモデルらしい。ただし外部メモリーや防水/防塵に非対応と弱点もある。赤外線通信はリモコン操作のみなので△とした。
一方、Xperia A4、AQUOS EVERはスペックが1世代前という印象。とくにAQUOS EVERは外部メモリの対応がmicroSDHC(最大32GB)、無線LANは2.4GHz帯のみに対応と、まるでMVNOがリリースしているスマホのようだ。ただし、3機種ともVoLTEには対応している。
もっともXperia A4は防水/防塵に対応し、機能面での弱点はフルセグ非対応くらいと、純粋にフラグシップ級の性能にこだわらなければ快適に使えそうだ。
AQUOS EVERはCPUのクロック数が低く、防塵やワンセグに非対応。YouTubeをはじめネット動画を見る人には特に気にならないかもしれないが、1つの弱点ではある。
3機種共通で気になる点はバッテリー容量で、最大でもXperia A4の2600mAh。AQUOS EVERは2450mAh。今後のバッテリーテストの結果などにも注目する必要がありそうだ。
この連載の記事
-
第212回
スマホ
3キャリアの主力ハイエンド機「Xperia XZ2」「Galaxy S9」「Mate 10 Pro」のスタミナ比較 -
第211回
スマホ
3キャリアの主力モデル「Xperia XZ2」「Galaxy S9」「Mate 10 Pro」でカメラ勝負! -
第210回
スマホ
3キャリアの主力モデル「Xperia XZ2」「Galaxy S9」「Mate 10 Pro」の速度対決 -
第209回
スマホ
3キャリアの主力販売モデル「Xperia XZ2」「Galaxy S9」「Mate 10 Pro」を比較 -
第208回
スマホ
「MONO」「Qua phone」「Android One」、キャリアのミドルクラスのスタミナは? -
第207回
スマホ
「MONO」「Qua phone」「Android One」、キャリアのミドルクラスのカメラをチェック -
第206回
スマホ
キャリアのミドル機「MONO」「Qua phone」「Android One」の速度比較 -
第205回
スマホ
主要3キャリアの最新ミドル機「MONO」「Qua phone」「Android One」を比較 -
第204回
スマホ
Galaxy、isai V30+、Xperia、ハイスペック機のスタミナテスト -
第203回
スマホ
Galaxy、isai V30+、Xperia、ハイエンドスマホのカメラをチェック -
第202回
スマホ
Galaxy、isai V30+、Xperia、キャリアのハイスペック機の速度を比較 - この連載の一覧へ