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Apple Musicはどう? 音楽配信サービスが日本で話題にならなかった理由

2015年08月04日 10時00分更新

文● 四本淑三

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安くて新曲も聴けるラジオ型サービス

 海外のサービスには有料プランのほかに、広告が入る無料プランがある。いわゆる「フリーミアムモデル」と呼ばれているもので、海外で定額配信サービスが脚光を浴びたのは、この広告モデルのおかげとも言える。

 代表的なところで、スウェーデン発のグローバルなサービス「Spotify」はユーザー数7500万人、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドでサービスされている「Pandora」は7600万人、台湾発でアジア主要国を網羅する「KKBOX」は1000万人と発表され、実際に高い人気と知名度を得ている。

 日本国内では、この広告モデルを採用するサービスは見当たらない。CDがいまだに売れ続けている日本では、お金を払って音楽を聴くという習慣がリスナーにも残っているので、それをわざわざ壊す必要もないということだろう。

 その代わり、低い料金で使える「ラジオ型」と呼ばれるサービスが用意されている。オンデマンド型のように、ユーザーが自由に選曲できない代わりに、聴取傾向を解析したプレイリストをストリーミングするもの。海外では、先のPandoraがこのタイプで、音楽のレコメンデーションサービスと捉えてもいい。

 KDDIの「うたパス」、NTTドコモの「dヒッツ」がこのラジオ型で、いずれも300円台からの安い料金設定が魅力。加えて、もうひとつ見逃せないのはCDのリリースと同時に新曲が提供される点だ。もちろん例外もあるだろうが、繰り返し再生できない、ダウンロードもできないというところで、音源提供側がラジオと同様のプロモーションメディアとして捉えているからだろう。

  

 次回は、これらのサービスを試して比べてみようと思う。

先ほどの乃木坂46の新曲『太陽ノック』をdヒッツで検索すると、「レコチョク最新J-POPヒッツ」など複数のプレイリストに登録されていて、フルサイズで聴けた。これがラジオ型の魅力



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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