富士通エフサスは7月29日、新たなクラウドサービスとして、「FUJITSU Managed Infrastructure Service マルチクラウドLCMサービス」の提供を開始した。
複数クラウドの統合ポータル提供、顧客の利活用を包括的にサポート
マルチクラウドLCMサービスは、パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせ、迅速なクラウド導入から稼働後の運用管理まで、ライフサイクル全般に渡って、包括的にサポートするもの。国内で初めて、複数の異種クラウド運用環境を一元的に見える化した「マルチクラウド統合ポータル」を提供する。クラウド運用特有の管理工数やコストを最大40%削減できるととともに、運用の可視化により、ビジネスのスピードアップを実現するとしている。
富士通エフサスの高萩弘社長は、同サービスについて、「運用面を軸にしたサービスであり、クラウド利活用のスピードアップ、最適なICT環境の導入、クラウド企画、運用工数の大幅削減という点でのメリットを提供できる」と説明した。
「マルチクラウドやハイブリッドクラウドなど、クラウドの選択肢が増加し、システムが複雑化している。またクラウドの構築や導入は容易だが、企画と運用の工数増大という課題が生まれている。予想外のコストが発生したり、クラウドの頻繁なサービスリリースやメインテナンスに、運用業務がタイムリーに追随できないといった課題も出ている」(高萩氏)
マルチクラウドLCMサービスでは、適材適所の最適コンサルを提供する「Cloud Consulting」、クラウドシステムの設計・構築を行う「Cloud Design」、クラウド間移行/QCDを行う「Cloud Migration」、クラウド環境の運用自動化を行う「Cloud Deployment」、クラウド環境の統合リソース管理を行う「Cloud Management」、ナレッジ型監視・レポーティングを行う「Cloud Analytics」を提供。「Cloud Consulting」、「Cloud Design」、「Cloud Migration」は即日提供を開始。その他のサービスは、9月から順次提供する。
「マルチクラウド統合ポータルは、オープンソースを活用して自社開発したもの。利用状況を可視化し、複数のクラウドの利活用を最適化できるものであり、こうしたサービスはほかにはない」(富士通エフサス 取締役執行役員常務の平野一雄氏)
また同サービスでは、マルチクラウド統合ポータルに加えて、システムの継続的な成長を促すアジャイル型サービスとなる「プロアクティブ運用」も提供される。
「統計情報やナレッジをもとに、継続的な運用サービスの改善と成長を実現しているほか、構築実績に基づいて設計したクラウドデザインパターンの活用により、構築に関する工数、コスト、納期を最大60%削減できる。クラウドデザインパターンは、常に最新のものに進化させていく。また、性能、可用性、コスト比較を行うことで、最適な次期クラウドの選定が可能になる」(平野氏)
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