雨が降ったり止んだりのとある梅雨の1日。
たまたま新宿での用件が早く終わり、雨が降ったり止んだりする梅雨空を見ながら、まあ雨が降ったらそそくさと退散すればいいやという気楽な感じで(傘も持ってないくせに)ふらふらといつものように散歩をはじめたのである。
右手にはレビュー用の作例が必要なカメラ、左手はiPhoneで古地図を表示しながら歩くのが楽しい。明治の地図を見ながら平成を歩くという新しい街歩きである。
新宿にしろ渋谷にしろ表参道にしろ、華やかで賑やかな街も100年前は単なる郊外の住宅地あるいは農村だったわけで、今でもメインストリートから少し外れれば単なる住宅街。すぐ近くに繁華街がある分そのギャップは大きく、古い邸宅や昭和なアパート、イマドキのマンションがないまぜになったその統一感のなさと梅雨時の湿気が似合う。
そんな中、細い生活道路にしか面してない公園にふらりと入ると、ちょこんと座ってこっちをニラんでる猫を発見。
両脇に花の詰まったプランター、真後ろにあじさい。
このキジトラ猫が逃げませんようにと祈りながら真正面から撮れる位置にそーっと移動し、しゃがみ、モニターを上に開いて猫の目の高さで(さすがに雨模様の日なので自分で這いつくばったりはしないけど)そっと撮る。
それが冒頭写真。この季節のじとっとした雰囲気に猫が似合う。
この公園、しばらくぼーっとしてると数匹の猫が顔を出したり引っ込めたりする。
冒頭写真の猫は警戒心が強いらしく、ちょっと近づいたらすぐ隠れてしまった。こういうときは追わないこと。猫の意志を尊重すべし。
という舌の根も乾かないうちからこんな写真撮ってるんだから立ちが悪い。
私の5mほど前をつつつーと猫が横切っていったのだ。どこへ行くのだろうと思うじゃないか。
なので後ろ姿をそろっと撮る。
この猫、奥にあるフェンスの向こうにすっと入り込んで、中にある配電ボックス(か?)の上にちょこんと座っておくつろぎ。
人が入ってこない場所をよく知ってるのだ。
これ、猫写真を撮るには最悪の場所。普通に狙うと、どうしても「手前のフェンスにピントが合っちゃう」のだ。
幸い猫はじっとしてるので、マニュアルフォーカス(MF)である。
実は、ミラーレス一眼はMF撮影にすごく向いてる。一眼レフよりずっと向いてる。なぜなら、フォーカスを合わせたい場所を拡大表示してきっちり追い込めるから。
MFモードにしてフォーカスリングを回すと、自動的にフォーカスポイント部分が拡大される。それを見ながらフォーカスを合わせ、タイミングを見計らい、フェンスの枠と顔が被らない位置を探して撮るべし。
フェンス越しで撮るときは目が見えているのが大事。
フェンスの向こうや草むらの中で猫の顔にAFで合わせるのが難しいときは、さっとMFにするのがいいのだ。
(次ページに続く、「広角で背景を入れる撮り方もいい」
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