2015年6月23日に発表された、法人向けタブレットPC「TOUGHPAD 4K」シリーズ新モデル。既報の通り、HDMI 2.0(HDCP 2.2)による4K60p入力をサポートしており、製品名に4Kの文字があるように、ディスプレーは3840×2560ドット(Ultra HD、230ppi)に対応済み。20型タブレットPCとしては比類なき魅力を持つ製品に進化したといえるだろう。発表されたラインナップは、HDMI 2.0入力に対応する「FZ-Y1CHBBZBJ」、スペックを抑えた「FZ-Y1CAAAZBJ」のふたつで、ASCII.jpの読者的にはFZ-Y1CHBBZBJが特に注目のはずだ。
ASCII.jpでは、抜き打ちチェックがごとく「CEATEC JAPAN 2013」において漫画家・颯田直斗先生とTOUGHPAD 4Kの実力を試したり、その後もパナソニック法人開発部隊に招かれ製品チェックをレポートしてきた。それもあってか発表会に招いていただいたので、軽くタッチ&トライをしてきたインプレッションをお送りしよう。なお、貸出機の準備が整い次第、どこまで“実戦”に耐えうるかといったチェックをするつもりだ。
「TOUGHPAD(タフパッド) 4K UT-MB5」レビュー
デザインは従来モデルを継承、堅牢性や性能アップに注力
まず、「TOUGHPAD」シリーズ全体を見てみると、5型の「FZ-E1」「FZ-X1」という魅力的なスマホがあり、7型/10.1型のタブレット3種、そして「TOUGHPAD 4K」ハイエンドモデルである20型「UT-MA6」がある。
今回発表のFZ-Y1CAAAZBJ、FZ-Y1CHBBZBJも“TOUGH”シリーズというだけあって、20型であっても落下試験(76cm/動作時・底面方向、30cm/非動作時・26方向)のテストをクリアしており、現場運用が前提だ。重量は約2.3kgと車両などを用意しての運搬であれば問題ない。
スペック面で見ると、まず最大解像度3840×2560ドット(230ppi)のIPSα液晶パネルがある。発色傾向もよく、発表会でのデモを見るに映像・写真方面にも耐えるレベルだと判断できた。このほかの仕様は、HDIM 2.0入力対応のFZ-Y1CHBBZBJの場合Core i5-5300U vPro(2.3GHz)、8GBメモリー、256GB SSDとなっており、よくあるノートPCと大きく変わらない。
発表会では、医療現場や3D CADなどのシーンに加えて、写真や映像方面、特に映像方面へのプッシュが目立ったのだが、搭載メモリーが少なく現場把握が甘いとしか思えない。同席していた颯田直斗先生と同じ意見になるが、クリエイティヴ方面を考えるのであれば、最低16GB、可能であれば32GBでないと、ここ最近の解像度上昇ブームに耐えられないことが多い。
メモリー容量については、先に挙げた過去記事でも書いた覚えがあるのだが、メーカー問わず、開発陣は1度ガチムチにクリエイティブ作業をしてもらいたいところだ。
インターフェースについては、HDMI 2.0をサポートしたこと自体はとてもすばらしい。しかし、映像方面の周辺機器は「Thunderbolt 2」が主流であり、TOUGHPAD 4Kはそれに対応していない。かなり疑問だったのだが、発表会でのセッションを見るに撮影現場でのチェックモニターとしての運用に重きを置いているようだ。
そういった運用であれば納得がいくが、作業を考えるとなるべくデータを移動させずにその場でさっさと済ませたいこともある。厳密にどのあたりまで耐えうるのかは、後日、楽しくチェックしたい。現時点ではぼんやりとしているが、既存環境への組み込みやすさがどの程度のものかで、特に映像方面における評価が変化するのではないだろうか。