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2016年にはBluetooth Smartにおけるメッシュネットワーク構築の標準化も

IoTデバイスの開発期間を70%短縮? Bluetooth SIGが提供する開発キットとは

2015年05月29日 16時31分更新

文● 松野/ACSII.jp

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Bluetooth Developer Studioは「開発の敷居を低くする」ツール

IoTデバイスなどの開発者向けツール「Bluetooth Developer Studio」。学習時間を最大50%、開発期間を最大70%短縮可能になるとしている

 このような背景を受け、「市場のポテンシャルが大きいこともあり、Bluetoothデバイスの開発者が増加している」と指摘したガオ氏。同団体の開発者向けウェブサイトのトラフィックの前年比増加率は38%、過去一年間の開発ツールへのサインアップ数は6254と、従来を上回る勢いとなっているのだという。

 そこで、開発環境を整えるためのツールとして今後の普及が期待されているのが、現在プレビュー版が提供されている「Bluetooth Developer Studio」だ。ガオ氏によれば「Bluetoothの仕様書は4000ページ以上あり、全てを把握するのが困難。IoTの流れも加速しており、デベロッパーは開発期間を短縮しなければいけないという課題を担っている」という。

Bluetooth Developer Studioは、開発の敷居を低くする工夫が盛り込まれている

 同団体はこのツールの導入により、個人差はあるものの、Bluetoothに関する学習時間を最大50%、開発期間を最大70%短縮できるとしている。サンプルやチュートリアル、ユースケースの紹介などが盛り込まれており、分野ごとの集中的な学習が可能。ドラッグ&ドロップのユーザーインターフェースにより直感的な開発を実現をうたっている。評価には仮想的なバーチャルテスティングと、基板と通信をさせての物理テストの2種類の方法を用意しているとのこと。

実際の開発画面。すでに存在するサンプルから自分の開発したい分野のプロファイルを探すことも、自分で独自に作ることも可能

 また、プラグインによる自動コード生成機能を持ち、プラグインの存在しない基板ではツール上でプラグインを作成したり、既存のプラグインに変更を加えることもできる。C言語やJavascriptなど、複数の言語で生成が可能だという。「ソースコードをコンパイルし、基板に入れ込むだけで、簡単なものであれば15分程度で開発できる。同様に、スマホ用アプリの作成も可能だ」と自信を見せるガオ氏。

ソースコードは自動生成できる。コンパイルして基板に入れ込むだけ

 「Developer Studioができるまでは、まず開発者向けのウェブサイトにアクセスし、膨大な仕様を確認して、それからプログラミングに取り掛かるという大変な作業があった。このツールを使えば、レゴブロックのような感覚で既存の組みあわせだけでもデバイスの開発ができるし、必要ならば自分で独自のブロックも作れる」。

 現在は英語版のみが提供されているBluetooth Developer Studioだが、日本語などの言語対応についてはデベロッパーからの要望も来ているようで、検討中とのこと。

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