業界の期待を裏切り“サーバー特需”はなし
同協会が実施している2014年度のサーバー、ワークステーションの国内出荷統計と組み合わせて分析した結果、Windows Server 2003のサポート終了が、IAサーバーの出荷増にはつながっていないことも明らかになった。
JEITAによると、2014年度のIAサーバーの国内出荷台数は前年比9%減の30万8680台、出荷金額は前年並みの2118億1800万円であった。台数では前年割れになっているのだ。
これは業界の予想を裏切る結果になったといえる。JEITAでも、「期待はずれの実績」であることを認める。
これには大きな理由がある。前述したとおり、仮想化やサーバー統合の取り組みが予想以上に進展しており、これがWindows Server 2003からの移行においても影響したのだ。
同協会の調査によると、Windowsを搭載したIAサーバーの場合、23%が仮想化用途で利用されており、物理サーバー1台あたりの仮想OS数(仮想サーバー台数)は「8.2台」。前年調査の「4台」に比べて大幅に増加している。
また、Windows Server 2003から単純リプレース(より新しいWindows Server環境への移行)を行う企業は80%を占めたが、そのうち約6割が「仮想化あり」と回答している。つまり、Windows Server 2003からの移行が一定数生じても、それが直接、サーバー購入台数の増加にはつながってはいないと見ている。
なお今回の調査では、「OCP(Open Compute Project)」についての認知度も集計している。「OCPを知っている」企業は46%に達したが、「注目している」企業は5%に留まった。ただし、大規模企業や通信・キャリア系企業では、「注目している」割合は1割程度と高いという。
今回発表された調査結果は、「ITユーザートレンド 2014/ビッグデータ・クラウド取り組み動向調査」としてまとめられ、同協会から発行されている。