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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第66回

Apple Watchのバンドの話 純正バンドはニューソン仕様

2015年05月22日 16時30分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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アイブとニューソンの協業と趣味の違い

 Apple Watch以外にも2人のコラボレーションは見られるのでしょうか。  たとえばニューソンは、エルメス向けの万年筆をデザインしています。Apple Pen、どうでしょうかね。Bluetoothデバイスとして用意されていてもよさそうな気がしてきました。

 HomeKitに対応するイスはどうでしょう。あるいはHealthKitやアプリと塩や砂糖のビン? もしくは自動車も、2人でやるのかもしれません。最近、中国市場を意識して、鋭い目のクルマが市場に増えていますが、将来、もう少し優しい顔の車が出てきてくれると、個人的にはうれしいです。

 最後に1点。

 ニューソンの仕事はシンプルで存在感があるプロダクトが多いように思います。一方最近のApple製品、アイヴの仕事はシンプルという共通点はありますが、「不在」のデザインを目指しているように思います。

 つまり、道具として透明感があって、馴染みすぎて、その存在が当たり前になりすぎる。存在感のない存在になろうとしているようにも思います。ここに、2つの仕事の決定的な違いがあると感じています。

 しかし時計は、主張であり、アイデンティティーとも言えます。そういう意味では、Appleのデザイントレンドである「不在」は、ふさわしくない可能性があると思いました。ニューソン起用は、不在のトレンドに存在感を持たせる、そんな意味合いがあったのではないでしょうか。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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