ゴールデンウィークが終わる前に、1ヵ月滞在していた東京を離れ、サンフランシスコ空港へ飛び立ち、バークレーに戻ってきました。
初夏の陽気のバークレーから東京に降り立ったときは、寒くてビックリするほどでした。まさか雪が降るとは思っていませんでした。その後気温は順調に上がり、ゴールデンウィーク期間中は晴天続きで気温も27度になり、真冬から初夏までを駆け抜けたような1ヵ月でした。
ちなみにバークレーの最近の天気は最高気温20度前後。晴れてはいるのですが、海から入ってくる風が冷たく、結果的にはちょうど良い天気です。これから先、ものすごく暑い日が夏前と秋口に数日あり、真夏は霧に太陽が阻まれ、結果的にはこんな調子で秋まで晴天が続く気候のはずです。
もしサンフランシスコ・バークレーにいらっしゃるなら、日本の暑さが厳しい8月から9月にかけてがベストシーズンではないか、と思われます。
シリコンバレーとコーナーキックの小競り合いで
生まれたのがApple Watch?
さて、4月24日に発売されたApple Watch。スマートウォッチ自体はこれまでもありましたが、Appleが手がけるとあっては意味が違ってきます。
最近、西海岸に住んでいて感じることですが、Appleはテクノロジー業界のトレンドセッターの役割を担っている、あるいは押しつけられているような印象があります。後者はどちらかというとネガティブな意味です。
Appleはテクノロジーに関して、必ずしも最先端を一番早く出す企業ではありません。市場形成前に製品は投入しますが、意味を考え、デザインを考え、我々の生活の変化を考えて、じっくり準備しているように見えます。
テクノロジーが大好きな筆者からすれば“遅い”。しかしながら、後出しでも既存製品よりも良いものを世の中に問いかける、そんな企業だと思います。
さきほど「ネガティブ」だと書いた理由は、Appleが出す前に、正解を打ち出せないシリコンバレー、という構図ができあがってしまっているように見えるからです。もちろんAppleは世界で最も多額の研究開発費を投じられる存在であり、これと比べるのも酷な話ではあるのですが。
サッカーに例えるなら、コーナーキックが打ち出される前の小競り合いの状態で、ボールがゴール前に蹴り込まれて、Appleがゴールを決めちゃう。2010年代はそんな状態じゃないか、と思います。
Apple Watchは見事なヘディングゴールか
もしくはハンドか?
既存のウェアラブルデバイス、スマートウォッチをいくつか使ってきて、上の例えを続けるなら、Apple Watchを使ってみた感想は今回もやっぱりゴールを決めちゃったのかなというものでした。
もちろんApple Watchは完全な製品ではありません。今後アプリの充実によって進化する要素は大きいと感じています。というのも2週間、Apple Watchそのものに備わっている機能以上のものを便利だと感じたり、使い続けなかったからです。
また、ハードウェアとしても、特にバッテリーはカタログスペック以上に長持ちし、夜帰宅して電源を切れば、2日に1回の充電で十分です(42mmの場合)。もっともUP by Jawboneのようにできれば手首の振動で起床したいのですが、それを確実にこなすには、やはり3~5日のバッテリーライフが必要になるでしょう。
(次ページでは、「Apple Watchで時間、習慣に興味が湧いてくる」)
この連載の記事
-
第264回
スマホ
ライドシェアにシェアバイク、これからの都市交通に必要な真の乗り換え案内アプリとは? -
第263回
スマホ
Amazonが買収したスーパーマーケットで生じた変化 -
第262回
スマホ
日産「はたらくクルマ」でみたテクノロジーでの働き方改革 -
第261回
スマホ
WWDC19で感じたのは、体験をもとにアップルがサービスの整理整頓を進めているということ -
第260回
スマホ
LoTで、いかにして世界から探し物をゼロにできるか?:Tile CEOインタビュー -
第259回
スマホ
ファーウェイ問題で感じたテクノロジーと国家対立の憂鬱 -
第258回
スマホ
スマホでの注文が米国でのスタバの役割を変えた -
第257回
スマホ
10連休に試したい、ゆるやかなデジタルデトックス -
第256回
スマホ
人によって反応が異なるドコモの新料金プラン -
第255回
スマホ
「平成」と「令和」 新元号発表の瞬間の違い -
第254回
スマホ
Adobe Summitで語られたAdobe自身のビジネスや開発体制の変化 - この連載の一覧へ