IBMが高齢者向けiPadアプリ開発、日本郵政の「みまもりサービス」で実証実験へ
iPadで高齢者を“見守り”、日本郵政+IBM+アップルが発表
2015年05月01日 09時00分更新
日本郵政グループ、IBM、アップルは米国時間4月30日、日本における高齢者向けサービスに取り組むことを共同発表した。IBMが高齢者向けiPadアプリを開発し、日本郵政グループが展開する高齢者の「みまもりサービス」と共に提供することで、高齢者の生活の質の向上を目指すという。
日本郵政では2013年10月から、北海道、宮城県、山梨県、石川県、岡山県、長崎県の一部地域を対象として「郵便局のみまもりサービス」を展開している。これは、郵便局社員が高齢者宅を訪問する際に生活の様子を確認するとともに、希望に応じて遠隔地に住む家族などに報告するサービス。
今回の取り組みでは、日本郵政グループが今年下半期から、みまもりサービスと連携したかたちで高齢者向けiPadアプリの実証実験を開始する。将来的には、サービスを段階的に増強しながら、2020年には日本国内の400~500万人規模へのサービス提供を目指すとしている。
同アプリはIBMグローバル・ビジネス・サービスが高齢者向けに開発したもので、iPadから薬を飲む時間や運動、ダイエットのお知らせや、コミュニティ活動、食料雑貨の買い物支援、就業支援などの各種サービスに直接アクセスできる。
さらに、IBM東京基礎研究所が中心となり開発したアクセシビリティ技術、日本語対応の自然言語解析技術を応用することで、高齢者にもわかりやすいガイダンスや自然なアプリ体験を提供するとしている。
さらにIBMでは、日本郵政に対し、「IBM MobileFirst for iOSプラットフォーム」(関連記事)の専用クラウドサービスを活用し、データ統合やセキュリティ、アナリティクス、デバイス管理といった機能を提供するとともに、システム構築や社員トレーニングなども実施する。
発表の中でIBM 会長および社長兼CEOのジニー・ロメッティ氏は、今回開始した取り組みを通じて「高齢化問題を抱える世界のどこであっても、より幅広い経済に対応し、個人と家族の生活の質にきめ細やかに対応するなど、モバイルによる変革をもたらすことができる可能性が見てとれる」と述べている。