ハイレゾ再生プレーヤーの人気ブランド“Astell&Kern”から、スリムでより手ごろに入手できる新シリーズ「Astell&Kern AK Jr」が登場する。
価格発売時期に関しては未公開で、まだ不明点は多いがシルバーの筐体で約8.9mmと薄型。そして重量は100gを切る。兄弟機種と比較して価格も抑えられる見込みで、戦略的な位置付けの製品となりそうだ。
久々のWolfson DAC搭載モデル
内蔵するDAC ICは、初代のAK100シリーズと同じWolfsonの「WM8740」。アナログ回路も含めた作りこみで、ハイクオリティーなサウンドを追求しているという。再生可能なフォーマットはPCMが192kHz/32bit(32bitは24bitにダウンコンバートして再生)まで、DSDが2.8MHzまで。WAV、FLAC、Apple Lossless、DSFなど一般的なファイル形式をほぼ網羅している。内蔵ストレージは64GB。microSDカードスロット(最大64GBのSDXCカード)を追加することで最大128GBの容量を扱える。
最大96kHz/24bitまでの対応となるが、USB DAC機能も装備しており、パソコンで再生した楽曲をより高音質に楽しむことも可能だ。Bluetoothやライン出力でカーオーディオやホームオーディオなど他の機器との連携もできる。
本体サイズはおよそ幅52×奥行き8.9×高さ117mmで、重量は約98g。
本体には3.1型のタッチスクリーンを装備。またAstell&Kernブランドの特徴である、ダイヤルを活用したボリューム調整なども可能となっている。なおヘッドフォン出力は3.5mmピンジャックのみで、上位機のようなバランス駆動には対応していないようだ。
価格は果たしていくらになるのか?
Astell&Kernは高級プレーヤーとして広く認知されているが、現行モデルではローエンドの「AK100II」でも実売10万円程度。最近登場したAK240 SSに至っては、38万円をこえる値付けの超ハイエンド機であり、ライト層に向けた機種が空白地帯になっていた面があった。
AK Jrは、再生機能的には第1世代機に近く、現行の第2世代機に比べると簡素な印象も受ける。しかし、幅は初代のAK100よりも狭くしかも薄型軽量。手の中にすっぽり入りそうなサイズという特徴を持っている。
上位機で培ったAstell&Kernの音質を継承し、さらに入手しやすい価格という要素まで加われば、ハイレゾ再生をより身近にしてくれる注目機種になることは間違いないだろう。写真を見る限りは、細部の仕上げにも上位機なみのこだわりがある印象で、意外と高くなるのかもしれない……が、ハイレゾをまず体験してみたい層に対して、ウォークマン Aなどとは異なる選択肢となれば面白いのではないだろうか。