リコーの「THETA m15」のように単体で360度の全天球動画が撮影できるカメラであれば、撮影した動画をPCに取り込んで再生ソフトを使うだけで、全天球動画の映像を楽しめる。
しかし、単体で全天球動画を撮影できるカメラの解像度は高いとは言えず、VRヘッドマウントディスプレー「Oculus Rift DK2」を使用した場合には、低解像度ゆえのブロックノイズが気になってしまう。
高解像度の映像を作るには、第1回で紹介した「Go Pro」や「QBiC MS-1」を複数台使って撮影した動画を合成しなければならない。
そこで今回は、「QBiC MS-1」を4台使用する「QBiC PANORAMA」で撮影した動画を、Kolor社のパノラマ合成ソフト「Autopano Video Pro」と「Autopano Giga」を使って、全天球動画にする手順を紹介しよう。
2つのパノラマ合成ソフトを用意
今回、動画の合成に使用するのは、Kolor社のパノラマ合成ソフト「Autopano」シリーズから、複数の動画をパノラマ動画として合成してmp4ファイルに書き出す「Autopano Video Pro」と、静止画のシーンから類似点を探して合成し、パノラマ写真を作る「Autopano Giga」の2つのソフト。
動画を作成するのにパノラマ写真を作る「Autopano Giga」が必要? という疑問を持つだろうが、これは動画を合成する際に、重ね合わせるポイントをマーキングをするために必要となる。
ソフトはダウンロード販売のみで、Kolor社のオンラインストア「Kolor Store」で、「Autopano Video Pro」が599ユーロ(約7万6500円)、「Autopano Giga」が199ユーロ(約2万5500円)の合計798ユーロ(約10万1680円)。
現在、この2つのソフトがセットになった「Bundle software "360 video"」が販売されている。価格は698.96ユーロ(約8万9063円)で、それぞれ単品で購入するよりも99ユーロ安いため、セットで購入することをオススメしたい。
ちなみに「Autopano」シリーズは、購入すると発行されるシリアルコードを入力しなくても、機能をフルで使える体験版として利用可能だ。
この場合、書き出せる動画ファイルが30秒までに制限され、書き出された動画にウォーターマークが入ってしまうが、購入前に試用できるのはありがたい。
→次のページヘ続く (直感操作で動画を合成)
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