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初のディストリビューション「VMware Integrated OpenStack」も投入

すべてはハイブリッドクラウドを作るために!VMware vSphere 6登場

2015年02月03日 16時30分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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本番系アプリケーションの利用も可能になったVirual SAN

 後半はSoftware-Defined Storageという観点からヴイエムウェア マーケティング本部 シニア プロダクト マーケティング マネージャ 桂島 航氏が仮想ストレージ機能である「Virtual SAN」とその新版について説明した。

ヴイエムウェア マーケティング本部 シニア プロダクト マーケティング マネージャ 桂島 航氏

 Virtual SANはハイパーバイザーに統合されたSoftware-Defined Storage機能で、x86ベースのコモディティハードウェア上にソフトウェアで仮想的な共有データストアを構築する。「仮想化によって、ハードウェアに依存しないストレージサービスを提供できるようにする。必要なストレージが瞬時に提供されるという世界を実現する」と桂島氏は説明する。

Software-Defined Storageのアプローチ

 Software-Defined Storageのコンセプトはいろいろなところで説明されているが、その中でVirtual SANのどこが画期的か。桂島氏は、「vSphereにVirtual SANが組み込まれているところ。RAIDやボリュームやアクセスコントロールなど設定が必要ない。リリースから9ヶ月ですでに1000社以上が使いこなしている」と語る。

 vSphere 6に搭載されるVirtual SAN 6では、まずオールフラッシュ構成に対応。具体的には性能や容量により、SSDを階層化管理することが可能になる。また、従来の2倍にあたる64ノードのクラスター、4倍以上となるパフォーマンス(オールフラッシュ構成)を実現したほか、スナップショットやラック障害にも対応した。「今まではテストや開発系の利用がメインだったが、性能も信頼性も上がり、本番系のアプリケーションでもレディになった」とアピールする。

Virtual SAN 6の新機能

 さらにストレージ装置側で仮想マシンを認識し、アプリケーションから透過的に管理できるvSphere Virtual Volumesも搭載。現在29社のパートナー企業がvSphere Virtual Volumesへの対応を表明しており、ストレージと仮想化ソリューションとの緊密な連携や自動化が可能になる。

vSphere上にOpenStackを迅速に立ち上げる

 桂島氏は続いて今日のハイライトでもある同社初のOpenStackディストリビューション「VMware Integrated OpenStack」についても説明した。VMware Integrated OpenStackはOpenStackコードとVMwareのドライバが組み合わせられた本番環境向けのOpenStackパッケージとなっており、15程度の仮想マシンから構成されている。ウィザード形式でインストールでき、わずか15分で単一ファイルからOpenStack環境を展開できるという。

VMware Integrated OpenStackの概要

 ターゲットはずばりvSphereユーザー。桂島氏は、「エンタープライズでOpenStack環境を作りたいというニーズが増えた。DevOpsに取り組みたい、クラウドアプリケーションを作りたいというニーズに対して、イチからOpenStack環境を作るのはかなり大変。VMware Integrated OpenStackでは、VMwareの基盤上にすぐにOpenStack環境をすぐに立ち上げられるよう、検証済みのものをパッケージ化してある」と語る。

すべてはハイブリッドクラウドを作るためにある

 VMware vSphere 6、VMware Integrated OpenStack、VMware Virtual SAN 6、vSphere Virtual Volumesは2015年第1四半期に一般提供を開始する。ライセンス体系に大きな変更はなく、vSphere 6エディションの1プロセッサあたりの市場価格は12万5000円~、Virtual SANは1プロセッサあたり31万2000円~。VMware Integrated OpenStackは、Enterprise Class EditionやvCloud Suiteのユーザーであれば無償で使える。

 名倉氏は、「ハイブリッドクラウドのための堅牢でスケーラビリティのあるハイパーバイザー、管理が楽で迅速にプロビジョニングできるストレージ、透過性が高いネットワーク、オープンなインターフェイスを持った管理ツールなど、すべてはハイブリッドクラウドを作るためにある。すべてに対応できるインフラベンダーとしてこれからも進んでいきたい」とまとめた。

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