伊藤社長が新参者と語る意味
会見で伊藤社長は、「新参者」という文字をスクリーンに表示してみせた。
伊藤社長が自らを「新参者」と語る背景には、これまで家電事業に携わった経験がないことを指している。
伊藤社長は、サーブ、日本コカ・コーラ、デル、レノボ、アディダス・ジャパンなどを経て、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントで業務執行役員を務めた経験を持つ。
「私は、家電業界では、よそ者で、新参者。だが、新参者だからこそ見える視点がある。社員にも、新参者の視点で家電の不満をぶちまけた。これによって、家電業界に革命を起こす」と、伊藤社長は語る。
デザインが変えられる冷蔵庫
新参者の視点のひとつが、白物家電のデザイン改革だ。
「たとえば、冷蔵庫の買い換えサイクルは8年以上。長期間利用するため、飽きがこない色や、主張しない色を選ぶ傾向が強い。だが、家庭のなかで、大きな場所を占めているのが冷蔵庫。それを変えることができないかと考えた」
その回答のひとつが、冷蔵庫の着せ替えカバーの提案だった。
第1弾として、ウォルト・ディズニー・ジャパンと提携。「アナと雪の女王」などのディズニーキャラクターを施したカバーを冷蔵庫に装着できる。スマホのカバーのように自由に着せ替えができるため、キッチンを簡単に彩ることができ、好きなものにも交換できる。今後、アニメ、アイドル、風景などのカバーが登場する可能性が高いという。
そして、その着せ替えの考え方を発展させたのが、液晶ディスプレイを冷蔵庫の前面に配した「DIGI」である。
「ディスプレイにしてしまえば、もっと自由に着せ替えができるのではないか」という、伊藤社長ならではの発想がDIGIにつながっている。
DIGIはインターネットに接続。冷蔵庫前面のディスプレイに、キッチンを彩るデザインが表示されるだけでなく、様々な情報が表示される。
冷蔵庫が情報端末として、また家族同士がコミュニケーションを取るための生活プラットフォームとしての役割も果たすことになる。
さらに、スケルトン洗濯機は、昨年6月に発表したツインパルセーター採用縦型洗濯機の説明用に用意されたスケルトンモデルを見て、なぜスケルトン洗濯機がないのかという、まさに伊藤社長ならではの異例の発想から生まれたものだ。
「スケルトンの洗濯機が受け入れられるかどうかはわからない。しかし、私は欲しいと思った。そして、作る側がワクワクしないと、買っていただく方もワクワクしないはずだ」と伊藤社長。新参者ならではの発想で生まれた家電だ。
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