VOCALOIDやゲーム実況プレイ、歌ってみた、踊ってみたなど多種多様なカテゴリーを擁する、動画コミュニティーサービス「niconico」。そのカテゴリーのひとつに、謎の技術を駆使し、ワクワクする未来を感じる作品が集結する「ニコニコ技術部」がある。
7月12、13日、そんなニコニコ技術部の有志による展示交流イベント「NT金沢」が、金沢駅地下のイベントスペースで行われた。過去に前編、後編とレポートした「NT京都」に続けて、今回も全75組の出展の中から特に目を引くブースを紹介していこう。
イグノーベル賞も認めた、タマネギで涙が出る仕組み
ライトニングトークのスペースでは、2013年にイグノーベル賞の化学賞を受賞した、石川県立大学学長の熊谷英彦氏が登場。「タマネギで涙が出る仕組みとイグノーベル賞授賞式」というテーマで30分間熱弁をふるった。
イグノーベル賞は1991年に創設され、「人を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に与えられるというものだ。日本人では、足の臭いの原因物質の特定や、兼六園にある銅像に鳩が寄り付かない原因の解明、牛の排泄物からバニラの香りを抽出した研究など、すでに19組が受賞している。
タマネギを切った際に起こる催涙作用は、かつてニンニクと共通する物質が原因と考えられていた。しかし、ニンニクでは涙が出ないため、熊谷さんが関わるチームは「ニンニクにはなくタマネギにだけ含まれる要素があるはずだ」という仮説を立てて実験をしたのだという。その結果、先のニンニクと共通する物質を催涙成分に変化させる酵素が、タマネギにのみ含まれていることを明らかにした。
ちなみに、これまで2万個以上のタマネギを実験に使ってきた熊谷さんのイチオシのタマネギ料理は、スライスしたタマネギを水にさらして、かつお節をのせるというオニオンスライスやオニオンスープだという。
100均アイテムで超高解像のVRを実現
kinnekoさんが開発した、仮想現実(VR)体験ができる「FakeRift 10号機」。材料は7型のAndroidタブレットと100円均一ショップで準備した虫眼鏡やゴーグルなどで、パソコンなど外部機器を使わずに運用ができるのが強みだ。初日には130人が体験した人気作だった。
ほかにも、ダンボール製HMDより強度があって、汗にも強いプラスチック素材で作った「taovisor(仮)」も展示。こちらは、近々、クラウドファンディングサイト「モーションギャラリー」で募集を開始する予定だという。