デリバリのワークフローを定義、自動化「CA LISA Release Automation」
CA、DevOps支援製品群にリリース自動化製品を追加
2014年06月06日 06時00分更新
CA Technologiesは6月5日、同社のDevOps支援ポートフォリオの新製品として「CA LISA Release Automation 5.0」の国内提供を開始した。エンタープライズアプリケーションの開発から運用に至る、一連のデリバリ(配布)作業の自動化を進め、開発期間の短縮やヒューマンエラーの抑止を図る。
2012年に発表した「CA LISA Service Virtualization」(関連記事)など、近年のCAは、DevOps実現を支援する製品群を事業の柱の1つとしている。
新製品のLISA Release Automationは、アプリケーションごとにリリースまでのワークフローをGUIで定義し、開発/テスト/ステージング/本番の各環境に対して再利用(繰り返し実行)可能にすることで、作業時間の短縮や省力化、人的ミスの発生抑止などを図るツール。
ワークフローは、スクリプトを書くことなくGUIで定義することが可能。「Amazon EC2」や「VMware vSphere」「Oracle DB」「MySQL」「Oracle WebLogic」「IBM WebSphere」「Apache Tomcat」など、サードパーティ製の主要な物理/仮想/クラウドプラットフォームやミドルウェア群に対応した900種類の「アクション」が標準で用意されており、これらとパラメーターを組み合わせて定義できる。また、独自のアクションを作成することで、標準でサポートされていない製品にも対応する。
また、継続的インテグレーションツールの「Jenkins」や、要求管理、構成管理、バージョン管理などの主要オープンソースツールとの連携も可能としている。
参考価格(税抜)は、管理対象サーバー1台あたり32万5000円。
開発と運用の「間」はそんなに単純ではない
CA DevOps担当ディレクターの渡辺隆氏は、LISA Release Automationのターゲットは、たとえばESB(Enterprise Service Bus)やERPなどを含む、大規模で複雑なエンタープライズシステムにおけるアプリケーション開発だと説明した。エンタープライズ領域のDevOpsでは「開発」と「運用」の間に多くの作業があるからだ。
「特にエンタープライズ向けアプリケーションの開発では、『開発』の後も『統合』や『性能テスト』『ステージング』といった段階を経ないと『運用』にたどり着かない。それぞれの段階の環境構築、ここに見えない時間とコストがかかっている」(渡辺氏)
開発と運用の「間」にあるこのステップを自動化していくことで、アプリケーション開発のスピードや品質が改善できると、渡辺氏は説明した。
また、LISA Release Automationの特徴について渡辺氏は、前述のGUIによるワークフロー定義、サードパーティ製品も含む標準アクションの提供のほか、抽象化された「マニフェスト」を定義することで、開発/テスト/本番という異なる物理環境下でも同じ定義を再利用できる点を強調した。具体的には、アクション対象を論理名で表記しておき、その論理名に対応する物理的な存在を別途、環境ごとに指定するというものだ。
同製品のターゲットについて渡辺氏は「エンタープライズ系でなおかつ頻繁にリリースが入るような、テレコムや金融といった業界で積極的に提案していきたい」と述べた。