このページの本文へ

画像や動画の編集で大活躍

ココが便利だよ! Macで活用するRetina化したデルの「UP2414Q」

2014年05月28日 14時00分更新

文● 広田稔(@kawauso3

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 以前の記事の通り、MacではOS X 10.9.3のアップデートで、デルの4Kディスプレー「UP2414Q」をRetina化して使えるようになって、製品の魅力がぐっと増した。今回は写真管理ソフトの「Aperture」や動画編集ソフトの「Final Cut Pro」などを使ったインプレッションをまとめていこう。

UP2414Q。パネルサイズは23.8インチと今となってはそう大きくないが、解像度が3840×2160ドットと非常に細かい。入力インターフェースは、HDMI、Mini Display Port、Display Port


フルHD動画や高解像度を等倍表示できる

 Retina化(HiDPI表示)とは、アップルのディスプレー技術のひとつ。従来より目の細かいディスプレーを利用し、今まで1ドットで描いていたものを4ドットで表現することで、文字のカーブがスムーズに見えたり、縮小表示の画像が精細に感じられるというものになる。例えば、32×32ドットで描いていた1文字を、同じサイズのまま64×64ドットに高解像度化するような感じだ。

 UP2414Qでいえば、23.8インチ/3840×2160ドットというパネル解像度は、よく見かける24インチ前後で1920×1080ドットという「フルHD」ディスプレーと比べて4倍のドット密度になる。3840×2160ドットのまま使うのではなく、文字や画像をスムーズ化したうえで1920×1080ドットでデスクトップを描画することで、精細に見せているというわけだ。

 そのRetina化だが、高解像度の動画や画像を等倍表示するときに威力を発揮する。

 例えば、Final Cut Pro XにてフルHDの映像を等倍表示する際、パネル解像度が1920×1080ドットのディスプレーでは、当たり前だが画面すべてが映像で埋まってしまう。一方、Retina化したUP2414Qなら、もともとは3840×2160ドットあるわけで、映像のプレビューを等倍表示にしても占有は画面の4分の1ほどで済む。

 Apertureでも同様だ。2880×1920ドットの写真を等倍表示しようとすると、フルHDのディスプレーだとはみ出してしまうが、Retina化したUP2414Qならきっちりおさまる。文字やアイコンなどは見やすいサイズでよりシャープに表示しつつ、高解像度な画像や動画は等倍でチェックできるという柔軟さが、大きな魅力といえる。

Final Cut Pro Xの画面。上段中央がプレビュー画面で、その右上にある倍率が「100%」になっていることが分かる。なおクリックすると3840×2160ドットのオリジナルが開くので要注意

こちらはApertureで2880×1920ドットの画像を開いたところ


60Hz表示を正式サポート!! したものの……

 OS X 10.9.3のアップデートで、もう一つUP2414Qユーザーにとって嬉しかったのは、DisplayPortでの接続時に60Hzでの表示に対応したということ。この「~Hz」はリフレッシュレートといい、1秒間に何回画面を書き換えるかを表している。OS X 10.9.2では30Hz以下しか選べずに、ゲームや動画の表示時に滑らかさが落ちていた。

 筆者の用途は原稿執筆と画像編集がメインなので30Hzでもそこまで気にならなかったが、ネット上では60Hzで使いたいという声も多かった。このたびサポートしたということでアップルのサポートページに掲載されてる通りの手順で、UP2414Qの設定画面を開き「DisplayPort 1.2」をオン。

本体右下のパネルを操作し、「画面設定」の「DisplayPort 1.2」を「有効にする」に変更

 晴れて60Hzに!……と言いたいところだったが、実はいきなり画面がブラックアウトしてしまった。いろいろ原因を探ってみたところ、どうやら15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル(Late 2013)が2基備えたThunderbolt端子に、2枚の外付けディスプレーをつないでいたのが悪かったようだ。サブ側につないでいたナナオの「FlexScan SX2461」を外したところ、きちんとUP2414Qの画面が表示された。

 考えてみれば、4KディスプレーはフルHD4倍枚分の映像を出力しているわけで、そのぶん転送するデータ量も多くなる。そもそも4K/60Hzの出力を満たすには、DisplayPort 1.2(5.4Gbps×4レーン=21.6Gbps)やHDMI 2.0(18Gbps)といった10Gbps超えの転送規格が必要。アップルが4Kの対応Macとして、Mac Pro(Late 2013)や15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデルをあげるのは、独立GPUのグラフィック性能に加えて、転送レートが20Gbpsの「Thunderbolt 2」を備えているためだろう。

ちなみにHDMIでUP2414Qにつないで試してみたところ普通にRetina化できたが、UP2414Q側の設定画面では「DisplayPort 1.2」がグレーアウトして有効にできなかった

 結局、トリプルディスプレーで使えないのは不便なので、今のところUP2414Qは30Hz表示に戻しているが、各ディスプレーでマウスカーソルをぐるぐる回してみると、UP2414Qだけ追従が微妙に遅れる気がする……。筆者の用途ではそんなに困らないので、とりあえず30Hzのまま運用することにしたが、今回検証した15インチRetinaではなく、Mac Proなら別の結果が出るのかもしれない。

 ともかく、Retina化が可能になったことで、Macでも4Kディスプレーがようやく実用になってきた印象だ。金額的にはまだ高価な部類に入るが、その投資に見合うリターンを得られるようになったため、液晶ディスプレーを購入する際はぜひUP2414Qも選択肢に入れてみよう。


デル株式会社

■関連サイト

ASCII.jpおすすめパック
製品ラインナップ
インテルバナー