ヴイエムウェアは4月10日、デスクトップ仮想化製品の最新バージョン「VMware Horizon 6」を発表した。今年第2四半期から提供開始予定で、同社の国内販売パートナーから購入可能。ライセンス価格は1ユーザー当たり2万7000円(税抜、市場予想価格)となっている。
単一の統合プラットフォームで多彩な環境をサポート
同日の発表会で概要説明を行った同社代表取締役社長の三木泰雄氏は、2014年の日本市場への注力分野が「Software-Defined Data Center(SDDC)」「エンドユーザーコンピューティング」「ハイブリッドクラウド」の3分野であることを改めて強調したうえで、Horizonがエンドユーザーコンピューティング分野の中核製品であることを紹介した。
三木氏は、ブイエムウェアではこの分野への取り組みを「個人のニーズに合わせた働き方を可能にする安全な仮想ワークスペースの提供」というミッションとして捉えていると語る。さらに、こうした取り組みは、企業のIT環境が今後登場することが予想されるさまざまな新デバイスにも迅速に対応できるよう準備する意味合いも持つと説明した。
次いで、米本社でエンドユーザーコンピューティング製品のプロダクトマーケティングを担当するビクター・スー(Victor Thu)氏が、現在の市場状況を概説した。
調査会社によれば、同分野の市場は2013年から2016年にかけて「年平均成長率7.8%」のペースで成長すると予測されている。一方で、ヴイエムウェアの成長実績は「グローバルでこの予測の3倍(約24%)、日本市場に限れば5倍(約40%)の成長を達成している」(スー氏)。
さらに、別の調査会社のアンケートにおいて、競合製品であるシトリックスの「XenDesktop」の購入予定者を大幅に上回ったと紹介し、「ヴイエムウェアは、すでに企業ユーザーのマインドシェアを獲得した」と語った。この分野では後発のブイエムウェアだが、バージョンアップや機能追加のペースも速く、たしかに最近ではこの分野の主導的ベンダーとしての存在感を高めつつあるのは間違いない。
Hozizon 6は、「アプリケーションデリバリ」「マネージメント」「ストレージ最適化」「ハイブリッドクラウド」の4分野のイノベーションにより、単一のプラットフォームによるデスクトップとアプリケーションの仮想化、Blast Performanceによる統合ワークスペースの実現、物理/仮想/個人所有デバイスの統合イメージ管理、クローズループ型の管理と自働化、SDDC向けに最適化、ハイブリッドブローカーという、大きく6つの特徴を実現したバージョンだという。
特に、社内で用意したデスクトップイメージやアプリケーションだけではなく、リモートデスクトップサービス(RDS)で公開されたデスクトップやMicrosoftのOffice 365といったクラウド型アプリケーションなども単一のメニュー画面に統合し、違いを意識することなく自由に呼び出して利用できるなど、統合環境の実現に配慮されている。
またHorizon 6では、製品パッケージはより大規模環境向けに拡張され、標準的な「Hoziron View Standard Edition」に加えて、新たに「Horizon Advanced Edition」と「Horizon Enterprise Edition」が追加された。