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もっと速く! ドコモが切り開くLTE-Advancedの未来

2014年01月17日 12時00分更新

文● 平澤寿康

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Xiの現状から次世代通信技術まで
ドコモに直撃した

 現在は800MHz、1.5GHz、1.7GHz、2GHzと4つの周波数帯域を利用したサービスを展開している、NTTドコモ(以下ドコモ)のLTEサービス「Xi」。1.7GHzを用いた下り最大150Mbpsの高速通信への対応も開始となり、着実にネットワークが拡充されているようだが、都心部では速度の遅さが気になる場所もある。

 そこで、ドコモのネットワーク担当者に、Xiネットワークの現状や、次世代通信規格への取り組みなどについて話を伺ってきた。今回対応いただいたのは、NTTドコモ 無線アクセスネットワーク部 無線企画部門担当部長の平本義貴氏と、同じく無線アクセス開発部 無線方式担当部長兼 無線ネットワーク方式担当部長の安部田貞行氏のお二人だ。

お話しを聞いた、NTTドコモ 無線アクセスネットワーク部 無線企画部門担当部長の平本義貴氏(右)と、同じく無線アクセス開発部 無線方式担当部長兼 無線ネットワーク方式担当部長の安部田貞行氏のお二人

800MHzと2GHzで基本のエリアを
1.5GHzと17.GHzを都心部で

───ドコモでは、「クアッドバンドLTE」と呼び、800MHz、1.5GHz、1.7GHz、2GHzと4つの周波数帯域でLTE(Xi)を展開していますが、現在の状況について教えてください。

平本 まず、エリアの広さという点では、800MHzと2GHzの2つの帯域を使い分けて展開しています。800MHz帯域に関しては、電波が飛びやすい特性がありますので、郊外地域を中心として展開しています。それに対して都心部では、基地局の間隔が狭いために、800MHz帯域では電波が飛びすぎてお互いの電波が干渉し、逆にパフォーマンスが低下してしまうことがありますので、2GHz帯域を主に利用しています。

 次に、速さという観点ですが、こちらは1.5GHz帯域と1.7GHz帯域を活用しています。これらはまとまった帯域でスループットが出ますので、都市部から中心に拡げていっています。また、大勢のユーザーが集まって、高いスループットが期待されるような場所には個別に管理して展開しています。

 さらに都心部に限って言うと、どんどんトラフィックが伸びている場所がありますので、1.5GHz、1.7GHz、2GHzだけと言わずに800MHz帯域も使って、スループットが著しく低下して使い勝手が悪いということがないように、4バンドフルに使って容量を上げていく、ということを行なっています。

4つの周波数をクアッドバンドとして展開させる

───10月4日に開催された記者会見(関連記事)でほぼ同様の説明がありましたが、それから2ヵ月以上経過して、各バンドの拡充はどの程度の進捗状況にあるのか教えてください。

平本 具体的な数字は公表できませんが、Xiの基地局に関しては2014年3月末までに5万局に増やす計画でして、その目標の達成に向けて順調に進んでいます。最大速度別のエリア図についてはドコモのホームページで、現時点、3ヵ月先、6ヵ月先のエリア図を公開していますので、そちらで進捗をご確認いただけると思います。

都心部でも800MHzを
積極的に展開

───東京都心部に関してですが、現在はまだ2GHz帯域と1.7GHz帯域を中心とした展開になっているのでしょうか?

平本 いえ、800MHz帯域が利用できる場所はまだ少ないですが、4つの周波数帯域すべてを利用して展開していまして、これからどんどん広がっていきますよ。

順調にXiの基地局が増えているという

───ということは、都心部でも4つの周波数帯域が今後利用可能になっていくわけですね。

平本 ユーザーが利用するトラフィックはどんどん増えていますので、なるべく多くのユーザーにいいスループットで快適に使ってもらいたいという形でネットワークを構築しています。

 ただ、1つの帯域で利用できる容量には限界があります。貴重な無線資源を割り当てられていることもありますし、その資源を最大限活用して快適に使っていただきたいと考えていますので、複数の帯域のうち快適なスループットの出る帯域を優先してつなげるようにしています。その方が、ユーザーも快適ですし、我々にとっても通信が短時間で終了して短時間で帯域を開けていただけるというメリットもあります。

───現在のネットワーク構築で、特に重点的に取り組んでいる帯域はありますか?

平本 ユーザーのみなさんからは、様々なご要望をいただいております。まだ未エリアのお客様からは、エリア化してほしいというご要望が上がってきています。現在、都内のトラフィックの状況はかなり伸びている状況で、今割り当てられている1.5GHz、1.7GHzだけでなく800MHzも使って容量を確保していかないとトラフィックをまかなえませんので、そこは大急ぎで取り組んでいます。ですので、全般的に力を入れていますね。

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