2013年春モデルがついに登場！

「VAIO Duo 11」春モデルのバッテリー性能を現実的にチェック！

2013年02月13日 15時30分更新

文● 高橋量

バッテリーシートを使えば駆動時間はさらに長く！

　よりバッテリーを長持ちさせたい人には、極端な節電チューンよりも別売のシートバッテリー「VGP-BPSC31」をお勧めしたい。「ソニーストア」での直販価格は1万4800円とお手頃。VAIO Duo 11に装着することで、内蔵バッテリーとシートバッテリーを両方同時に使うことができる。

VAIO Duo 11専用のシートバッテリー「VGP-BPSC31」。スライドスイッチを操作して本体底面に装着する

シートバッテリーの装着面。高さは最厚部で約15mmと比較的スリムだ

　VAIO Duo 11にシートバッテリーを装着すると、本体がやや斜めに傾くデザインとなっている。本体底面に装着するため、タブレットモードでの利用も可能だ。シートバッテリーの重量は約345g。VAIO Duo 11本体と合わせると1.65kgとなる。素晴らしく軽いわけではないが、持ち運べるレベルの重さだ。

シートバッテリー装着時の本体底面。VAIO Duo 11専用なので、デザイン的な違和感はまったくない（写真は2012年秋冬モデル）

シートバッテリー装着時の本体側面。本体が斜めに傾く設計で、排気用のすき間も用意されている

　シートバッテリーにはデジタイザースタイラスの収納場所も用意されている。小さくてなくしやすい部品であるだけに、これはうれしい配慮だ。出し入れも簡単なうえに、手にした際にジャマになることもない。

バッテリーシート左側にデジタイザースタイラスの収納場所を用意（写真は2012年秋冬モデル）

バッテリーシート装着時に、左側面から簡単に出し入れできる

　またバッテリーシート単体での充電も可能。VAIO Duo 11付属のACアダプターを利用することで約2.5時間で充電できる。充電時間が比較的短いので、バッテリー切れで困るような場面は少ないだろう。

　VAIO Duo 11に装着すると、バッテリーシートのバッテリーから優先して消費される。バッテリーシートの残量がなくなったら一度外して単体で充電し、その間は付属バッテリーを利用するといった使い方も可能だ。

VAIO Duo 11付属のACアダプターで充電が可能。充電に必要な時間は約2.5時間

　バッテリーシート装着時のバッテリー駆動時間は、スペック表上での公称値で約14時間（VAIOオーナーメードモデル「SVD1122AJ」は13～16時間）となっている。もちろんこの数値は、前述の付属バッテリーと同様オフラインで動画を再生し続けた結果だ。

　そこで先ほどのテストと同じ条件で再度バッテリーチェックを行なったところ、8時間12分でシステムが休止状態となった。これほどまで長時間駆動するなら、バッテリー切れの心配は皆無だといえるだろう。ネットの動画を大音量で再生しても、軽めのゲームをプレーしても十分な時間駆動するはずだ。

　しかし実のところ、以前に2012年秋冬モデルでバッテリーシートを使った同じベンチマークを行なった際は、10時間40分という結果が出ている。前述の通り本体のバッテリー性能は同じであるため、バッテリーシートの状態がよくなかったことが原因でこれだけの差が生じたのかもしれない。おそらく10時間40分の結果のほうが、実際の駆動時間に近いのだろう。

　ノートで一般的に使われているリチウムイオンバッテリーは、満充電を繰り返すことで性能が低下してしまう。特に今回使用したのは試用向けのバッテリーシートであるため、2012年秋冬モデルのときも含めて何度もテストに使われたはずだ。そのため、標準的な使い方に比べて格段にバッテリー性能が劣化している可能性が高い。そう考えると、バッテリーベンチでこれだけの差がでたことに合点がいく。

　このように、満充電を繰り返すと内蔵バッテリーパックやバッテリーシートの性能が徐々に低下してしまう。そこで少しでもバッテリー寿命を延ばすために、満充電前に充電を停止する「いたわり充電モード」をぜひとも利用したい。「VAIOの設定」から機能を有効化しておくだけで、80％または50％のバッテリー充電率で充電がストップするのだ。

80％や50％で充電をストップする「いたわり充電モード」。「VAIOの設定」を起動し、「電源・バッテリー」から設定できる

　ひんぱんな満充電にさえ気を付けていれば、バッテリーシートは非常に便利だ。バッテリー消費に注意して使えばVAIO Duo 11単体でも問題ないが、仕事をスムーズにかつ安心して進めたいなら、ぜひバッテリーシートを入手しておきたい。外出先でVAIO Duo 11をフル活用するためには、必須ともいうべきアイテムだ。