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編集者の眼第45回

文章なんて「起承転結」で書けばいい

2012年12月20日 10時01分更新

文●中野克平/Web Professional編集部

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 「起承転結」なんて古臭い。多くの人はそう思ってテーマを「起」から書き、失敗する。

  • 起:文章は起承転結で書けばいい
  • 承:でも多くの人は起承転結で書けない
  • 転:実は起承転結は使えない
  • 結:結局センスです

「文章は起承転結で書けばいい」というテーマそのものを「起」に書いてしまうと、「転」でテーマをひっくり返さざるを得なくなる。起承転結では文章は書けない、と思うのも無理はない。

 アメリカの高校では「5段落エッセイ(Five-Paragraph Essay)」という小論文のテンプレート(型)を教える。TOEFLのライティング(Independent-essay)の解法でもあるので、留学を考えたことがあれば聞いたことはあるだろう。序論(Introduction)→本論(Body 1,2,3)→結論(Conclusion)という文章構造が、本論=「パティ」を序論と結論=「バンズ」で挟み込むように思えることから、「バーガーエッセイ(burger essay)」とも呼ばれる

5段落エッセイ(『Webライティング実践講座』の挿絵より)

 最近よく聞く「文章は結論から書け」という話の元は、恐らく5段落エッセイだろう。しかし、5段落エッセイや結論から書かれた文章は、読み進める動機が弱くなる。Webコンテンツは見出しをクリックされて読み始めるから、見出しから想像できる内容と書き出しが同じなら、ユーザーは冒頭部分だけで満足してしまう。「起」で見出しから想像できる内容を裏切り、「承」で本当に述べたいテーマである「転」につなげて、「結」で結論を述べる。Webコンテンツこそ、起承転結でなければ伝えたいことが伝わらないのだ。

 アメリカ人の文章だって、必ずしも5段落エッセイで書かれているわけではない。Googleで「Beyond the Five-Paragraph Essay」を検索すれば、「そんなもん、教室の黒板以外で見たことあるか?」という意見が多く見つかる。ポール・クルーグマンのこのコラムなんて、かなり起承転結的だ。「文章は結論から書け」のような方法論を信じても、「起承転結で書けばよい」という常識への信頼が揺らぐだけで、結局何かが書けるようにはならない

  • 起:起承転結で書くと失敗する
  • 承:アメリカには5段落エッセイという方法論がある
  • 転:文章は起承転結で書けばいい
  • 結:実はアメリカ人も起承転結を使っている

のように、テーマを「転」にして、その逆の状態を「起」にすれば、誰でも文章は書けるようになる。起承転結は最強の文章作成ツールだ。


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