ジャストシステムは15日、統合セキュリティーソフト「JUSTインターネットセキュリティ」を無償提供開始すると発表した。初期費用、更新費用ともに無料で提供される。
同社は2006年からロシアのカスペルスキー社との提携により、「Kaspersky Internet Security」シリーズを販売していた。しかし、2011年にこの提携関係が解消されたため、同社ブランドでのセキュリティーソフトは存在しない状況だった。今回のJUSTインターネットセキュリティは、その穴を埋める同社独自のセキュリティーソフトとなる。
なぜ同社が今、無料のセキュリティーソフト市場に参入するのかについて、同社コンシューマ事業部企画部の大野統己氏は、既存の無料ソフトに対する日本のユーザーからの信頼感の低さを挙げた。また、有料のセキュリティーソフトの大半がファイアウォールやプライバシー保護といった機能を備える統合型なのに対して、無料ソフトではこれらの機能が含まれない(有料版なら可能等)といった面で、機能面でも不満を持たれがちであるとした。そこで、こうした問題点を解決できるセキュリティーソフトとして、JUSTインターネットセキュリティを提供する。
「家を守る」という言い伝えから、動物の「ヤモリ」をロゴマークのモチーフにしたというJUSTインターネットセキュリティは、統合型を名乗るに十分な機能を備えている。主な機能は以下のとおり。ソフトウェア開発やアップデートは同社内の開発部隊で行なわれる。
また、動作の軽さや速さについても自信を示す。インストール後のOS起動時間やスキャン時間については、競合製品と比べても最速クラスの速度(同社調べ、以下同)を実現しているという。
無料版での収益モデルについては、広告モデルを採用する。ウイルススキャン実行時や各種情報提示時に表示されるポップアップの中に、広告が表示される。ただし広告の表示についてもユーザービリティー調査を通じて、ユーザーにとって目障りにならない表示にするように工夫しているという。一方で、広告非表示や電話・メール等でのユーザーサポートを含む月額版(315円/月)も提供する。同社では無料版に対する月額版ユーザーの割合を、数%になると予測している。
対象OSはWindows 7/Vista(各32/64bit版)とWindows XP(32bit版)。同社では、半年間で100万ダウンロードの達成を目標としている。また、スマートフォン版の提供も、時期は未定ながら検討しているという。
フォトブック作成のウェブサービスも開始
ジャストシステムは15日、大判サイズのフォトブック(フォトアルバム)も作成可能なウェブサービス「cocoal」(ココアル)を3月から開始すると発表した。
同種のフォトブック作成サービスはいくつもあるが、競合他社のサービスに対して、低価格で高品質なフォトブックを作成できるとしている。データの作成やアップロードにはウェブアプリケーションを使用する。
価格は、横280×縦210mmの「フォトブック ワイド」が3780円(20ページ時、最大32ページまでで、4ページ追加ごとに400円、以下同)、縦横210mmの「フォトブック スクエア」が2980円など。