Antec「EA-450 PLATINUM」、「EA-550 PLATINUM」、「EA-650 PLATINUM」
AntecのPLATINUM電源は、回路やファンもプラチナ級!
2012年02月11日 11時00分更新
80PLUS PLATINUMを取得した電源ユニット(以降プラチナ電源と略)は、低負荷でも高負荷でも極めて電力ロスが少ない。最近になって各電源ユニットメーカーからプラチナ電源が出揃い始めた。そこで今回は、Antecの新製品「EARTH WATTS PLATINUM」シリーズの中身や使い勝手などをレポートしていきたい。
電源ユニットほど良いモノとそうでないモノの差が激しいパーツはない。一見同じようなスペックでも、消費電力の差や発熱・ファンノイズの差となって表れる。特にAC→DCへの変換効率の悪い電源ユニットを使っていると、同じパーツをぶら下げているのに消費電力が段違いに増えたりする。自作PCにおけるハイスピード、ハイパワー追求というスタンスは、ただでさえエコの精神に反する行為。だからこそ少しでも良質な電源を選ぶべきなのだ。
ではどこで電源の良し悪しを見ればよいか? 少し前なら12V出力が云々と語っていたところだが、今電源ユニットを選ぶなら、まず80PLUS認証のどのグレードで攻めるか、その後にパーツ構成を見ながら適切な12V出力の品物を選ぶ、という形にしたい。
12V出力が太ければ3.3Vや5V出力も太くなるため、12Vが何系統あるか、各系統のアンペア数はいくつか、そして12V合計で何ワット出せるかを見ればいい。
最高水準の変換効率を誇る
80PLUS PLATINUM
ここでざっくりと80PLUSのグレードの話をしよう。80PLUS認証とは、AC電源からPCが使うDC電源へ変換する際の変換効率がどの程度かを保証するもの。下表のように「無印」から「PLATINUM」まで5段階のグレードがあり、当然プラチナの方が変換効率がいい。
AC→DC変換効率が悪化すると、無駄に消費された電力は熱となって逃げてしまう。当然ファンノイズも増加するとなれば、少しでも上のグレードの電源ユニットを使えば、電気代が浮くだけでなく静音性が向上するというメリットがあるのだ。
80PLUS認証ランクと変換効率の違い | |||||
---|---|---|---|---|---|
負荷率 | 80PLUS | 80PLUS BRONZE | 80PLUS SILVER | 80PLUS GOLD | 80PLUS PLATINUM |
負荷20%のとき | 80% | 82% | 85% | 87% | 90% |
負荷50%のとき | 80% | 85% | 88% | 90% | 92% |
負荷100%のとき | 80% | 82% | 85% | 87% | 89% |
一般的なスイッチング電源ユニットの変換効率は、負荷の程度により変化する。80PLUS認証を取っていれば、最低でも80%の変換効率があるという意味になるが、グレードが上がるごとに高負荷でも高い変換効率を得られるということを意味している。
また、EARTH WATTS PLATINUMシリーズは、ErP Lot6にも準拠している。ErP(Energy-related Products)とは環境配慮設計に関する欧州連合の新しい指令で、5Vsbの待機電力が1W以下であることを表している。節電が叫ばれる昨今、動作中だけでなく待機中に電力を喰わないというのは非常に重要だ。その点、この電源ユニットならば動作中も待機中も電力をあまり消費しないので、実にエコな製品であるといえる。
安全性を重視した
Antec製電源ユニット
数ある電源ユニットのなかで、Antec製をチョイスしたのにはそれなりの理由がある。同社が安全性に徹底的なこだわりを持っているからだ。EARTH WATTS PLATINUMシリーズには、過電流保護(OCP)、過電圧保護(OVP) 、短絡保護(SCP)、過電力保護(OPP)、サージ・突入電流保護(SIP)、無負荷定格速度運転(NLO)、低入力電圧保護(BOP)、不足電圧保護回路(UVP)による保護機能が搭載されている。
また、UL、cUL、CB、CE、FCC、TÜV、BSMI、CCC、C-Tick、GOST-R、KCCといった各種安全性認証も取得している。
PCにとって安定した電力供給は第一条件。消費電力だけでなく安全性にも高い配慮がなされたAntecのEARTH WATTS PLATINUMシリーズは自作PCにとって強い味方である。