コンピューターは、プログラムに従ってさまざまな処理をします。プログラムとはコンピューターにさせたい命令(処理)を記述した文書であり、プログラムの記述に使用するのがプログラミング言語です。
Webでよく使われるプログラミング言語
プログラミング言語には、用途やOS(プラットフォーム)によってさまざまな種類があり、選択できますが、Webシステムの開発においてサーバーサイド技術として特によく使われているのが、PHP(正式名:PHP:Hypertext Preprocessor)です。
PHPは、Webサイトの一部で利用する問い合わせフォームのような簡易なプログラムから、ECサイト構築ソフトの「EC-CUBE」やブログ作成ソフトの「WordPress」、さらにはFacebookのような大規模なWebサービスまで、幅広く利用されています。
PHPと並んで、Perlも人気のあるプログラミング言語です。Perlはブログ作成ソフトの「Movable Type」などで利用されており、PHPに比べて古くからWeb開発に利用されてきた歴史があるため、ライブラリー(部品)が充実しています。
このほか、サーバーサイドのプログラミング言語としてRuby、ブラウザー側(クライアントサイド)で動作する言語としてJavaScriptなどがあります。
言語の選定はプログラマーと相談して
WebサイトやWebシステムの開発で利用するプログラミング言語は、クライアント(顧客)から特に指定がなければ、自社や外注先のプログラマーのスキルや経験から選定します。プログラマーの経験が少ない言語を選択すると、スケジュールどおりに開発が進まない、運用時のトラブルに対応できない、などリスクがあるので、受注案件では避けるべきです。
また、WebサイトやWebシステムは作って納品したら終わりではなく、将来的に規模を拡大したり、機能を追加したりする可能性もあります。「メンテナンス可能かどうか」という視点でも検討しましょう。
一方、プログラミング言語は、サーバー環境に大きく左右されます。サーバー環境が指定されている場合は、選択できるプログラミング言語もおのずと決まってきますから、要件定義の段階でサーバーの仕様を確認しておきます。自社のリソースで対応できない場合は、信頼できる外注先に依頼することも検討しましょう。
サーバー環境によっては言語のバージョンも規定され、変更できない場合があります。開発環境(テスト環境)と本番用のサーバー環境でバージョンが異なるとプログラムが動作しない場合もありますから、本番環境と同じ開発環境を用意することが大切です。
著者:水野良昭
JWDA(一般社団法人日本ウェブデザイナーズ協会)理事。1968年東京都生まれ。商社7年勤務後、シリコンバレーに渡米。帰国後、自治体WEBサイトを構築。その後ISPにてグループウェアASP商品化。第13回 KSPベンチャー・ビジネススクール 準優秀賞受賞。同ビジネスプランにて、オンラインデスクトップ株式会社を設立。