スマートフォンユーザーの急増を受け、大手メーカーなどでは、新製品のプロモーションやキャンペーンでスマートフォン用のアプリケーションを開発、配布するケースが増えています。
スマートフォンアプリでは、ブラウザベースのスマートフォンサイトではできない、カメラやモーションセンサーなどの端末固有の機能を利用できます。一度端末にインストールしてしまえばオフラインでも使用できるのも、アプリならではのメリットです。
ほとんどのスマートフォンではアプリの開発環境やドキュメントが公開されており、開発環境を揃えれば誰でもアプリを開発できます。ここでは、特に開発案件が多い、iPhoneアプリの開発フローを紹介しましょう。
iPhoneアプリの開発に必要なこと
iPhoneアプリ開発にあたって最初に必要なのが、開発環境の用意です。Mac本体とMac OS X 10.5.3以降を用意し、開発用のツール類をまとめた「iOS SDK」をアップルのWebサイトからダウンロードしてインストールします。
iPhoneアプリではプログラミング言語にObjective-Cを使い、「Cocoa Touch」と呼ばれるアプリケーションフレームワークを使ってプログラムを記述します。SDKに含まれるシミュレーターや実機で動作を確認しながら開発を進め、アプリを完成させます。
iPhoneアプリの配布元は、アップルが運営する「App Store」に限られており、アップルの基準をクリアしたアプリだけが配布できます。アプリが完成したらアップルに審査を申請して、承認されるとApp Storeでの配布が始まります。
アプリ特有の仕様やフローを理解しよう
iPhoneアプリの開発にあたっては、いくつか注意したい点があります。1つは、アップルが定める仕様をよく確認することです。iPhoneアプリの開発では使用できる機能もUIも、Web制作とは違います。開発者向けのドキュメントをしっかりと読み、実現できることを把握した上で設計しなければなりません。
仕様が変わる点にも注意しましょう。iPhoneに搭載されるiOSのバージョンに合わせて、利用できるiOS SDKやMac OSのバージョンも変わります。新バージョンが出ると旧バージョンの配布は終了するので、バージョンは必ず確認しておきましょう。
開発にあたっては、開発にかかる期間だけでなく、App Storeへの申請、審査期間も考慮したスケジュールを立てる必要があります。アップルの審査次第では企画そのものが通らないケースもありますので、あらかじめクライアントに説明しておきましょう。
著者:アンティー・ファクトリー
アンティー・ファクトリーはWeb戦略だけでなく、タッチパネルやスマートフォンなどの各種インターフェイス・アプリケーション開発、次世代広告コミュニケーションの設計や開発を行っています。ワールドワイドなクリエイティブを展開し、発展しつづける会社です。