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AIDMAとAISASの違いを理解しよう

2011年12月12日 11時00分更新

文●アンティー・ファクトリー

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 AIDMA(アイドマ)とAISAS(アイサス)は、ともに消費者が商品を購入するときのプロセスをモデル化したマーケティング理論です。

一般的な消費行動を定義した「AIDMA」

 AIDMAは、消費者が商品をはじめて知り、購入にいたるまでのプロセスを「Attention(認知)」「Interest(関心)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の5つに整理し、その頭文字をとったものです。1920年代に米国のサミュエル・ローランド・ホール氏によって提唱されました。

 この5つのステップはさらに大きく「認知段階(Attention)」「感情段階(Interest・Desire・Memory)」「行動段階(Action)」の3段階に分けられます。

 消費者は最初に、テレビCM、雑誌・Webサイトなどから商品の存在を初めて知ります。これが認知段階です。次の感情段階では、商品のことを気にして好き嫌いや自分にとって必要かどうかを検討し、最後の行動段階で判断に基づいて商品を購入します。

 自動車や住宅、化粧品など、実際に商品を購入するまでの期間が長く、消費者が検討を重ねる傾向がある商材ほどAIDMAのモデルは有効とされ、プロモーション計画を策定する際の基本的なフレームワークとして、広く定着していました。

ネット普及後の消費行動モデル「AISAS」

 一方、AIDMAの考え方をインターネットが普及した現在にあてはめたものがAISASです。1995年に大手広告代理店・電通によって提唱され、2005年に同社の商標として登録されました。

 AISASでは、AIDMAにあった「Desire」と「Memory」を「Search(検索)」に置き換え、「Action」の後に「Shere(共有)」を追加しています。

 Searchは、商品の存在を知って興味を持った消費者が、商品名や関連するキーワードを検索エンジンに入力して情報を得ようとする行動を指します。Shareは、商品の購入後、ブログやSNSなどのソーシャルメディアを通じて、消費者同士が商品の感想を発信・共有し合うことを示します。

 このSearch→Action→Shareに、インターネット普及後の消費行動の変化が端的に表れています。以前は簡単ではなかった情報の入手が、検索エンジンによって一瞬で可能になり、消費者が発信するクチコミ情報が消費者の意思決定に大きな影響を与えるようになったのです。

 現在では、AISASの各プロセスにあてはめて必要なプロモーション施策を検討することが一般的になっています。特にWebを絡めたプロモーションでは必須のモデルとして理解しておきましょう。

著者:アンティー・ファクトリー

アンティー・ファクトリーはWeb戦略だけでなく、タッチパネルやスマートフォンなどの各種インターフェイス・アプリケーション開発、次世代広告コミュニケーションの設計や開発を行っています。ワールドワイドなクリエイティブを展開し、発展しつづける会社です。

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