初めてスマホに触れる人にも
違和感を感じさせないホーム画面を
「docomo Palette UI」インタビューの後編となる今回は、多くのユーザーを擁するNTTドコモだからこその苦労話、端末ごとのチューニングなどを、NTTドコモ プロダクト部 ユーザーインターフェース企画担当 松本 望氏に聞いた。
今後「Palette UI」はスマホのホーム画面のスタンダードになりえるのか!?
短期間でユーザーの意見を盛り込んだPalette UI
──Palette UIの開発に関して、苦労した点、苦心した点はありますか?
松本 カンタンに見えて、実は難しいことを開発サイドに依頼したことがありまして(笑)。
──例えばどのような?
松本 ホーム画面にウィジェットを配置するとき、ウィジェットの大きさが画面の配置可能な範囲を超えているとき、一般的なホームアプリだとエラーになって、結局ウィジェットが配置できない、ということになります。しかしPalette UIの場合、配置する範囲が足りなければ自動的に新しいホーム画面のページを追加する機能があります。従来のホームアプリだと、自分でページを増やしてからウィジェットを増やすというような方法しかありませんでしたが、自動的に新規ページが増えるのでユーザーの操作負担を減らしています。この機能が、開発面では困難が生じたようです。
──ほかにもありますか?
松本 ホーム画面がループする構造というのは、すでにAndroidマーケットなどで公開されているホームアプリのいくつかで実現されていますが、「ライブ壁紙」に対応しながらループするというのは、実は技術的には難しいものです。ライブ壁紙は、単なる画像ファイルではなくて、Javaのアプリケーションで書かれていることが理由です。また、「Webページウィジェット」も、単純なウィジェットのように見えますが、Webページの内容をキャッシュして保存する必要があり、当初はページによってうまく読み込めないという事態もありました。それを調整して開発していったのですが、ここにも簡単にできているようで高い技術が使われているのです。
──開発期間に関してはどうでしたか?
松本 スマートフォンにプレインストールするソフトウェアは、全体的に開発期間が短くなっています。端末自体の開発期間が短いので、それに応じてソフトの開発と検証、チューニングといった期間も短くなっています。
──フィーチャーフォンとスマートフォンで、開発期間の違いはどのぐらいですか?
松本 製品によっては、スマートフォンの開発期間がフィーチャーフォンの4分の1といったこともあります。フィーチャーフォンだと、企画してから発売するまで1年半から2年をかけるのが標準的でしたが、スマートフォンの場合、製品によって半年や1年を切るのは珍しくなくなっていますから……。
──ユーザーからの意見が反映されている所もあったりするのですか?
松本 これまで弊社が提供してきたスマートフォンに対していただいた御意見を反映しています。
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