クーラーマスターは、PCケースだけでなくCPUクーラーなどの冷却系パーツの分野で人気がある。ハイエンドのさらに上を行くウルトラハイエンド仕様の製品もあるなど、ヘビーユーザーにも注目されるメーカーだ。
今回はクーラーマスターの中から3製品を紹介しよう。
HAF X
●URL:http://www.coolermaster.co.jp/product.php?product_id=6653
●実売価格:2万8800円前後
とにかく重くてデカい! 重厚感あふれる巨大ケース
HAF Xは複数の大型ファンを搭載する、ハイエンドユーザー向けの大型ケースだ。初見時は誰もが「デカッ!」と叫んでしまうくらいのインパクトのある大型ボディとなっている。素材はスチール製のためデカイだけでなく重量も約14.35kgとかなり重いが、その分剛性は高くファンやHDDの振動に強い安定性を重視した作りと言える。
外観はフロント、サイドともに直線と凹凸を多用した近未来SF的なデザインである。さらにフロント吸気ファンは赤LEDによる発光オン/オフが可能で、左サイドパネルはアクリルになっているので内部を見ることができるといったギミックもある。「ケースにはかっこよさが必要だ」という人にも満足できるデザインと言えるだろう。
特大サイズの冷却ファンをふんだんに搭載
フロント部分は全面メッシュ使用になっているためエアフローは良好だ。排気ファンを絞り気味にすると、このメッシュ部分を通って空気が外に出る構造になっているため、5インチベイ付近にも空気の流れを作ることができる。
搭載ファンは大型ボディに合わせた超大型志向。吸気ファンはフロント下部に230mm角、左側面下部に200mm角と超大型ファンを2つ標準装備。排気ファンも天頂に200mm角、リア上部に140mm角を装備し、オプションで天頂部にもう1つ200mm角ファンを追加できる。
各ファンは標準的な12V、3ピン仕様(すべてペリフェラル4ピン変換コネクタ付き)なので、マザーボードのケースファンコネクターを使ったファンコントロールが可能だ。すべて大口径ファンなので低速回転の静音仕様、冷却重視の大風量のどちらにも対応できるのが強みと言えるだろう。
ただ、200mm角オーバーのファンは市販されている製品が少ない上、固定用のネジ穴が合わない可能性があるなど、気軽にファン交換は行ないにくい。ケース購入時には予備の交換ファンも同時に入手しておくのが安心だ。
水冷システムへの考慮もなされており、リアには水冷用ホースを通すためのホールが3つ用意されるほか、天頂部の200mm角ファンを外せば200×360mmの水冷ラジエーターを搭載することが可能だ。
E-ATXにも対応する超余裕の内部スペース
ケースとしての性能や使いやすさもかなり高い。ケース内部は広く、Extended ATXやXL-ATXといった大型マザーの設置も可能だ。ビデオカードは2スロット仕様カード長約342mmまでのカード取り付けを最大4枚までサポートするほか、しっかりと固定するためのビデオカードホルダーやフロントファンからの吸気をビデオカードに送り込むための専用エアダクトが付属する。
また、このビデオカードホルダーやエアダクトには別途ファンを取り付けることができ、ビデオカードの冷却強化が可能になる仕組みだ。ハイエンドビデオカードをSLIやCrossFireで運用するユーザーにはかなり魅力的な配慮である。
大型ケースだけありベイの数は豊富だ。5.25インチベイは6つで、うち2つはリムーバブルHDDケースが標準搭載される。さらにすべてがドライバレスでの装着に対応し、フロントカバーもケースを開けることなく着脱が可能だ。3.5インチシャドウベイは側面部からHDDを抜き差しする仕組みで、ストレージの増設や交換作業が容易に行なえる。
高い冷却性能を持ち、内部やベイへのアクセスも簡単など、かなり良質のケースであることは間違いない。机の下に収まりきらないほどの巨大さと、交換用ファンの入手性がネックになるが、頑丈さとベイの豊富さからもずっと使い続けられると太鼓判を押せる製品である。
(次ページへ続く)
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